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藤井風は知っていた。「帰ろう」「満ちてゆく」に宿る死の哲学。

【連載:老いの哲学】第5回・最終回|有料

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

最終回は、この連載で積み上げてきた哲学的な議論を、現代の音楽と接続します。「帰ろう」「まつり」「キリがないから」「満ちてゆく」——藤井風の4曲を、哲学的な視点から丁寧に読み解いていきます。

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第五章 藤井風は知っていた——現代音楽に宿る死の哲学

なぜ藤井風なのか

哲学書と、ポップミュージック。一見かけ離れたこの二つを接続することに、どんな意味があるのか。

思想は書物の中にだけあるのではありません。ある時代の最も鋭い感受性をもつ表現者は、しばしば哲学者と同じ問いに、別の言葉で向き合っています。

藤井風は1997年生まれ、岡山県出身のシンガーソングライターです。2020年のデビュー以来、その独特な世界観は国内外で高い評価を受けています。彼の音楽が特別なのは、死・無常・執着の手放し・今この瞬間といったテーマを、20代という若さで真正面から、しかも押しつけがましくなく歌い続けているところです。

「帰ろう」——死を見つめることで、今の生き方が問われる

デビューアルバムの最後を飾る「帰ろう」は、死を正面から扱った楽曲として多くのリスナーに衝撃を与えました。

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