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78歳で家を建てる

がんと診断されてまずやったのが、自分が描いた家の設計図を持ってハウスメーカー行ったことだ。がんは内視鏡治療で根治したけど、命には限りがあると77歳にしてはじめて意識ができた。いつかは死が訪れるけど今はその時ではない、まだ先だと思っていた。

67歳で会社を売り経営から退くまで、お金のことばかり考え自分のやりたいことは限られた制約の中でしかできなかった。

今だ。今しかない。好きにやりたい。やりたいことを全部やりたい。自分の気に入る家を建てたい。

実は家を建てるのは、4回目だ。

はじめて建てたのは33歳のとき。会社兼自宅でお金もないし、自由に伸び伸びと建てたわけではない。

2度目は58歳のとき。会社は別のところに移したけど会社の倉庫としての利用もあり母親の介護の為エレベーターをつけたり隣りの敷地に建てたので
やはり自分自身の求めている理想のものではなかった。

2回目

3度目は、70歳で海の近くに別荘を建てた。2階建てにしないと海は見えず、防砂林の松が大きくなってくるとさらに見えなくなる。5年間だけ別荘として楽しんだ。

別荘

2年前に海を臨むマンションに引っ越しをし、生活に慣れるまでうつ状態になってしまった。はじめてのマンション生活で、年齢を重ねると新しい環境に馴染むまで時間がかかるのか、当初にすでに引っ越しを考え、新しい家の図面を引いていた。

マンションに慣れるまで時間がかかった
2017年頃 建築家とのマッチングで3名ほどでコンペをしていただいた
今回はこのときのものではなく、僕のオリジナルだ。

うつは治ったけどそのとき描いていたものが今回、4度目の家作りの土台だ。

数日後に78歳になる。家ができるのは79歳か、80歳か。

家づくりにはエネルギーが必要だ。いつまでも健康でいられるとは限らない。身体はもちろん気力、気持ちが続くか、新しい家でどのぐらい生きることができるのか。

今度こそ最後だ。最後の家が僕の生きるエネルギーにつながっていく。