「小さな幸せ」
『ショートケーキ。』を読み
ました。
坂木司さんの描く物語は、日
常の中で抱える小さな悩みや
葛藤にそっと寄り添い、ショ
ートケーキという象徴的な存
在を通じて、登場人物たちが
少しずつ前向きになっていく
姿を描いています。
ショートケーキ。
坂木 司 (著)
「和菓子のアン」の著者によ
る胸に光がともる物語 悩んだ
り立ち止まったり鬱屈を抱え
たりする日常に、一筋の光を
見せてくれる甘いもの。
ショートケーキを巡る優しく
温かな5編の物語。
坂木 司 (著)
Amazonより
あらすじ
1. ホール
大学生のゆかとこいちゃんは、
どちらも母子家庭で育ち、父
親が家を出てからホールケー
キを買えなくなった共通点を
持っています。二人は「失わ
れたホールケーキの会」を結
成し、切れていないホールケ
ーキを楽しむことに喜びを見
出します。
しかし、離れて暮らす父親か
ら「大事な話がある」と連絡
が入り、それぞれの心に変化
が訪れます。
2. ショートケーキ。
ケーキ屋で働く「俺」は、ホ
ールケーキを予約なしで買う
客を「天使」と呼んでいます。
その中でも常連の女子大生二
人組が気になり、彼女たちが
丸いホールケーキにこだわる
理由を探ります。
一方で、甘いもの好きな姉の
元気がないことにも心を寄せ
ています。
3. 追いイチゴ
ケーキ屋で働く「私」には、
一人で密かに行う「趣味」が
あります。
それは嬉しい出来事があった
際に行う特別な儀式ですが、
それが他人には言えない秘密
となっています。
この趣味を通じて、自分自身
と向き合う姿が描かれます。
4. ままならない
母親となったあつこは、日々
の生活が思うようにいかない
中、大好きなショートケーキ
を一人でゆっくり味わいたい
と願います。
彼女は同じく母親である友人
たちと互助会を結成し、その
願望を実現しようと奮闘しま
す。
5. 騎士と狩人
受け身で生きてきた28歳の会
社員央介は、領収書の不備を
きっかけに経理担当の女性に
興味を持ちます。
彼女は弟の学費のため倹約生
活を送っていますが、本当は
ショートケーキが食べたい様
子です。
彼女への想いとともに、自分
自身も変わろうとする姿が描
かれます。
感想
特に第三話「追いイチゴ」に
心惹かれました。
ケーキ屋で働く主人公が密か
に行う“追いイチゴ”という儀
式は、嬉しい出来事を祝うた
めの特別な行動であり、他人
には言えない秘密でもありま
す。
このエピソードは、自分だけ
の小さな楽しみや幸せを大切
にすることの大切さを教えて
くれました。
私も試しに“追いイチゴ”をや
ってみたいと思いました。
ホールケーキにたっぷりとイ
チゴを追加して、自分だけの
贅沢な時間を楽しむ――そん
な些細なことが、日々の生活
に彩りを加えてくれる気がし
ます。
この本は全体的に読みやすく、
短編ごとに異なる主人公たち
の視点から物語が展開される
ため、飽きることなく楽しめ
ます。
また、坂木さんの文章は優し
さとユーモアに満ちており、
読後にはほっこりとした気持
ちになれるのが魅力です。
砂糖断ちしている方には少し
誘惑が強いかもしれませんが、
それでも本作は甘さだけでな
く、人間関係や人生の酸味も
描かれており、単なるスイー
ツ小説以上の深みがあります。
ショートケーキを食べること
ができなくても、その象徴す
る「小さな幸せ」を感じ取る
ことができる一冊です。
Kindle版

Audible版

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自己紹介
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