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音声だけで紡がれる“物語体験”

『リアルサウンド~風のリグ
レット~』のオーディオブッ
     ク版を聴きました。
  深い余韻に包まれている。
1997年にセガサターン用とし
て登場した“音だけのゲーム”
が、四半世紀を経て現代のオ
ーディオブックとして蘇る―
―その事実だけでも、ゲーム
史や音声コンテンツの進化を
体感してきた私には感慨深い
       ものがあった。



リアルサウンド~風のリグレット~
【スペシャル二大特典付き】
Audible Logo
坂元 裕二 (著), 柏原 崇 (ナレーション),
菅野 美穂 (ナレーション)

1997年に株式会社ワープが制
作した、セガサターン用ゲー
ムソフトをオーディオブック
             化。

企画・監督は同社創業者であ
り、ゲームクリエイターの飯
   野賢治(2013年逝去)。

脚本は、2023年カンヌ国際映
画祭の脚本賞を受賞した坂元
裕二氏によるオリジナル。

主な出演者は、柏原崇、菅野
美穂、篠原涼子、裕木奈江、
末広透(子役)、前田愛(子
役)(敬称略)といった錚々
       たるメンバー。

小学生のころ、転校すること
になった女の子と“駆け落ち”
の約束をしたものの、失敗に
 終わった主人公・野々村博司。

大学生になった彼は、あのと
き駆け落ちしようと思ってい
た女の子と再会し、付き合っ
ていたのだが、突然彼女がい
     なくなってしまう。

あの夏のように…。

リアルサウンド~風のリグレット~
【スペシャル二大特典付き】
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坂元 裕二 (著), 柏原 崇 (ナレーション),
菅野 美穂 (ナレーション)
Amazonより


まず、オーディオブック版の
 最大の特徴は「選択肢がなく、
  エンディングは1種類のみ」
        という点だ。
ゲーム版では自分の選択によ
って物語が分岐し、複数の結
末が用意されていたが、オー
ディオブックでは純粋に物語
を“聴く”ことに集中できる。
約3時間半という長さも、散
歩や通勤、家事の合間など「
 ながら聴き」にちょうど良く、
物語世界に自然と引き込まれ
         ていった。

音声だけなのに、情景が鮮や
かに浮かぶのは、坂元裕二氏
の脚本と、柏原崇・菅野美穂
・篠原涼子ら豪華キャストの
演技力、そして鈴木慶一氏に
よる湿度を帯びた夏のサウン
       ドの力だろう。
時計塔や台風、南十字星とい
った象徴的なモチーフが耳か
ら心に染み渡り、視覚情報が
なくても、むしろ想像力を刺
    激される体験だった。

物語は、主人公・野々村博司
が小学生時代に“駆け落ち”を
約束した少女との再会、そし
て再び彼女を失うという切な
   い夏の記憶を軸に進む。
東京の地下鉄や台風19号、ゴ
ッホの名が現実感を与えつつ
も、どこか夢の中の出来事の
    ような曖昧さも漂う。
 泉水や菜々の存在の不確かさ、
記憶の曖昧さ、そして“声”と
いう近い存在と“スマホの中
の物語”という遠さが生み出
す独特の距離感が、現代的な
感覚とも重なり、非常に印象
         的だった。

私は普段、オーディオブック
やラジオドラマをあまり聴か
ないが、本作は自分の生活音
や風景と物語が混ざり合い、
まるで自分自身が“あの夏”の
登場人物になったような錯覚
        すら覚えた。
 ゲームをプレイしない人にも、
純粋なストーリーテリングと
して十分に楽しめる作品だと
          感じる。

スペシャル特典として付属す
る坂元裕二氏の脚本ブック(
PDF)や、飯野賢治氏のメッ
セージ(ボーナストラック)
も、ファンにはたまらない内
         容だった。
脚本ブックのエンディングは
音声版とは異なるため、比較
  して楽しむこともできる。

まとめ

『リアルサウンド~風のリグ
レット~』オーディオブック
版は、音声だけで紡がれる“
物語体験”の新たな可能性を
 感じさせてくれる一作だった。
視覚に頼らず、耳と想像力だ
けで物語世界に没入できる贅
            沢。
ゲームの原作ファンはもちろ
ん、良質なストーリーや音声
コンテンツを求める全ての人
     におすすめしたい。

Audible版


………………
自己紹介
noteがスキ
❤️になってきた。より

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