一人一人の心に温かな余韻
『やさしさを忘れぬうちに』
川口俊和著「コーヒーが冷め
ないうちに」シリーズの第5
作目です。
不思議な喫茶店「フニクリフ
ニクラ」を舞台に、4つの心
温まる物語が展開されます。
やさしさを忘れぬうちに
川口 俊和 (著)
「いつか」なんて待たずに、
すぐ会いに行けばよかった
――。
結婚を許してやれなかった父、
バレンタインチョコを渡せな
かった女、
離婚した両親に笑顔を見せた
い少年、
名前のない子供を抱いた妻……
止まってしまった「今」を未
来へと動かすために過去に戻
る、4人の男女の物語。
とある町の
とある喫茶店の
とある座席には不思議な都
市伝説があった
その席に座るとその席に座っ
ている間だけ
望んだ通りの「時間」に移動
ができるという
ただし、そこにはめんどくさ
い……非常にめんどくさいルー
ルがあった
1.過去に戻っても、この喫
茶店を訪れたことのない
者には会うことができな
い
2.過去に戻ってどんな努力
をしても現実は変わらな
い
3.その席には常に白いワン
ピースを着た女が座って
いる
4.その席に座れるのはその
女が席を立った時だけ
5.過去に戻っても、席を立
って移動はできない
制限時間はカップにコーヒー
を注いでから、そのコーヒー
が冷めるまでの間だけ
めんどくさいルールはこれだ
けではない
それにもかかわらず、今日も
都市伝説の噂を聞いた客がこ
の喫茶店を訪れる
喫茶店の名前は、フニクリフ
ニクラ
この物語は、そんな不思議な
喫茶店で起こった心温まる四
つの奇跡。
川口 俊和 (著)
Amazonより
あらすじ
喫茶店「フニクリフニクラ」
には、過去に戻れる特別な席
があります。
しかし、その席を利用するに
は厳しいルールがあります:
喫茶店を訪れたことのない
人には会えない過去を変えることはできな
い特別な席には常に白いワン
ピースを着た女性が座って
いるその席に座れるのは女性が
席を立った時だけ過去では席から動けない
過去に滞在できるのは、コ
ーヒーが注がれてから冷め
るまでの間だけ
この制約の中で、4人の人物が
過去に戻る決意をします:
結婚を許してやれなかった父
バレンタインチョコを渡せな
かった女性離婚した両親に笑顔を見せた
い少年名前のない子供を抱いた妻
各話の主人公たちは、過去に
戻ることで大切な人との再会
を果たし、言葉にできなかっ
た思いを伝える機会を得ます。
解説
『やさしさを忘れぬうちに』
は、タイムトラベルという非
現実的な設定を用いながら、
人間関係の機微や人生の選択
について深く掘り下げていま
す。
過去に戻れても現実は変えら
れないという制約は、登場人
物たちの内面的な成長を促す
触媒となっています。
各エピソードは、「やさしさ」
というテーマを通じて、人々
の心に秘められた後悔や未完
の思いを描いています。
タイトルの「やさしさを忘れ
ぬうちに」は、日常の中で見
落としがちな思いやりの大切
さを示唆しています。
川口俊和さんは、この作品を
通じて、コロナ禍が明けた後
の人々の心の機微や、人との
接し方の難しさを描こうとし
ています。
優しさをテーマに据えること
で、自身の人間関係を見つめ
直す機会を提供しています。
感想
『やさしさを忘れぬうちに』
は、読者の心に深く響く作品
です。
私は読みながら、自分の人生
を振り返り、大切な人々との
関係について考えさせられま
した。
特に印象に残ったのは、「名
前のない子供を抱いた妻」の
話です。
この物語は、親になった人な
ら誰もが共感できる内容で、
私自身も涙を抑えることがで
きませんでした。
人生の岐路に立たされた時の
迷いや、決断の難しさが胸に
迫ってきます。
川口俊和さんの優しい筆致は、
登場人物たちの心の機微を丁
寧に描き出し、読者の共感を
誘います。
過去を変えられなくても、そ
の経験を今後の人生に活かす
ことができるという希望が、
物語全体を通じて伝わってき
ます。
この本を読んで、私は自分の
周りの人々との関係を見直す
きっかけを得ました。「いつ
か」ではなく「今」行動する
ことの大切さ、そして日常の
ちょっとした優しさの重要性
を改めて感じました。
本作は、人生の岐路に立った
とき、あるいは大切な人との
関係に悩んだときに、再読す
る価値のある本だと感じてい
ます。
一人一人の心に、温かな余韻
と、大切な人々への思いを残
す素晴らしい作品です。
川口俊和さんの言葉を借りれ
ば、「52年生きてきて私にし
か書けない物語」であり、そ
の真摯な姿勢が作品の魅力を
さらに高めた作品だと思いま
す。
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自己紹介
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