青春の儚さと美しさ
『明け方の若者たち』を読み
ました。
20代を振り返るような不思議
な感覚に包まれた。
カツセマサヒコさんの繊細な
筆致が、青春の儚さと美しさ
を見事に描き出してしていま
した。
明け方の若者たち
カツセ マサヒコ (著)
「私と飲んだ方が、楽しいか
もよ笑?」 その16文字から始
まった、沼のような5年間。
明大前で開かれた退屈な飲み
会。
そこで出会った彼女に、一瞬
で恋をした。
本多劇場で観た舞台。
「写ルンです」で撮った江の
島。
IKEAで買ったセミダブルベッ
ド。
フジロックに対抗するために
旅をした7月の終わり。
世界が彼女で満たされる一方
で、社会人になった僕は、“こ
んなハズじゃなかった人生"に
打ちのめされていく。
息の詰まる満員電車。
夢見た未来とは異なる現在。
深夜の高円寺の公園と親友だ
けが、救いだったあの頃。
それでも、振り返れば全てが、
美しい。
人生のマジックアワーを描い
た、20代の青春譚。
カツセ マサヒコ (著)
物語は、主人公が飲み会で出
会った女性との16文字のメッ
セージから始まります。
そこから5年間の恋愛模様が、
まるで写真のスナップショッ
トのように描かれていきます。
明大前での飲み会、本多劇場
での舞台、江の島での「写ル
ンです」での撮影、IKEAで買
ったベッド、そしてフジロッ
クに対抗した旅行など、細か
いエピソードの数々が鮮明に
描かれています。
一方で、社会人になった主人
公の現実も赤裸々に描かれて
います。
満員電車での息苦しさや、思
い描いていた未来と異なる現
実に直面する苦悩が伝わって
きます。
そんな中で、高円寺の公園と
親友だけが救いだったという
描写は、多くの読者の共感を
呼ぶのではないでしょうか。
カツセマサヒコの文体は、若
者の感性を巧みに捉えていま
す。
彼のデビュー作であるこの小
説は、評判を呼び、即座に映
画化されたほどの人気を博し
ました。
個人的に印象に残ったのは、
北海道にしかないセイコーマ
ートの話題です。
コンビニ論の中でこの地域特
有の話題が出てくるのは、私
にとって新鮮でした。
全体として、この小説は20代
の青春の輝きと苦悩を見事に
描き出しています。
過ぎ去った日々を振り返った
とき、すべてが美しく輝いて
見えるという結末は、青春の
儚さと美しさを象徴している
ように感じました。
『明け方の若者たち』は、若
者の心情を深く理解し、共感
を呼ぶ作品です。
20代を過ぎた読者にとっては
懐かしさを、現在20代の読者
にとっては自分の経験と重ね
合わせやすい内容になってい
ます。
カツセマサヒコさんの繊細な
筆致と、リアルな描写力に魅
了された一冊でした。
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