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べらぼうめ!

2025年NHK大河ドラマ『べ
らぼう~蔦重栄華乃夢噺~』
 の予習として手に取ったのが、
この谷津矢車さんの『蔦屋』
       (文春文庫)。
いや~、まさか江戸の出版業
界がここまでアツく、そして
 笑えるとは思いませんでした。
 読後、思わず「べらぼうめ!」
   と叫びたくなる傑作です。


蔦屋 (文春文庫)
谷津 矢車 (著)

寄る年波には勝てず、店仕舞
いしようとしていた地本問屋
・丸屋小兵衛のもとを、才気
  迸る若い男が訪ねてくる。
 この店に毎年二十両払うから、
雇われ人となって自分を手伝
ってほしい、という申し出に
      面食らう小兵衛。

「一緒にやりませんか。もう
一度この世間をひっくり返し
        ましょうよ」

 その男こそ、吉原随一の本屋、
飛ぶ鳥を落とす勢いの蔦屋重
      三郎だった――。

飲むときはとことん飲み、遊
   ぶときはとことん遊ぶ。
商売の波に軽々と乗り、つね
に新しいものを作りたい、と
      意気込む重三郎。
重三郎の周りには、太田南畝、
朋誠堂喜三二、山東京伝、恋
川春町ら売れっ子戯作者や狂
歌師が出入りするが、腐れ縁
の絵師・喜多川歌麿には、特
   別な感情をもっている。

やがて松平定信による文武奨
励政治が始まると、時代の流
  れは予期せぬ方向へ――。

蔦屋重三郎の型破りの半生を、
父親ほども年が離れた小兵衛
       を通して描く。

最強バディが江戸の街を闊歩
する、極上エンターテインメ
         ント小説。

蔦屋 (文春文庫)
谷津 矢車 (著)

江戸の“プロデューサー”蔦
 屋重三郎、その型破り人生!

まず、主人公・蔦屋重三郎。
彼はまさに江戸の出版界の革
命児!喜多川歌麿や東洲斎写
楽を世に送り出し、黄表紙や
滑稽本で江戸の大衆文化を牽
引した“文化プロデューサー”
       の先駆けです。
 商才と情熱でのし上がる姿は、
現代のベンチャー社長顔負け
      のバイタリティ。
新しいものを作ることに命を
燃やし、飲むときはとことん
飲み、遊ぶときはとことん遊
            ぶ。
そんな彼が「一緒に世間をひ
っくり返しましょうよ」と口
説くシーン、しびれました。

まさかの“相棒もの”!?小兵
      衛の視点が新鮮

ところがこの小説、蔦屋重三
郎目線ではなく、彼に雇われ
た地本問屋・丸屋小兵衛の視
    点で描かれるんです。
     これがまた絶妙!
 父親ほど年の離れた小兵衛が、
蔦重の無茶ぶりに振り回され
つつ、次第に最強バディに成
         長していく。
江戸の出版界を舞台にした“バ
ディもの”としても読めるのが
       本作の面白さ。
小兵衛の「なんでワシがこん
な目に…」的なボヤキと、蔦
 重の天才的ひらめきの対比が、
まるで漫才コンビのようで笑
          えます。

歴史エンタメとしての骨太さ
     と、時代の熱気

もちろん、ただのドタバタ喜
     劇ではありません。
松平定信の寛政の改革による
 出版統制という歴史的事件が、
物語に大きな波乱をもたらし
           ます。
ヒット作を連発し絶頂を極め
た蔦重&小兵衛コンビに、時
代の逆風が容赦なく吹きつけ
る――この緊張感がたまりま
           せん。
江戸の町の熱気、出版人たち
の矜持、そして「世の中を面
白くしたい!」という蔦重の
執念が、ページをめくる手を
       止めさせない。

ドラマとの違いも楽しめる

NHK大河『べらぼう~蔦重栄
華乃夢噺~』との違いもポイ
           ント。
小説では吉原の描写が控えめ
で、瀬川や検校といったドラ
マで印象的なキャラは登場し
ませんが、その分、出版業界
の内幕や蔦重と小兵衛の関係
  性がじっくり描かれます。
 ドラマで蔦重にハマった人も、
違った角度から彼の魅力を再
       発見できるはず。

まとめ:江戸の熱狂と人間く
 ささ、笑いと涙の歴史小説

『蔦屋』は、江戸の出版業界
を舞台にした骨太エンタメで
ありながら、登場人物たちの
人間くささとユーモアが光る
           一冊。
大河ドラマで蔦屋重三郎に興
味を持ったなら、絶対に読ん
     で損はありません。
小兵衛視点の“相棒もの”とし
ても、出版プロデューサー蔦
重の熱い生き様としても、令
  和の今こそ響く物語です。

さあ、あなたもこの本で「世
間をひっくり返す」気分、味
    わってみませんか?

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