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古典部|未完成の物語

「わたし、気になります」―
 ―千反田えるのこの一言から、
物語は再び動き出します。
今作『愚者のエンドロール』
は、クラス制作の自主映画「
 万人の死角」をめぐる謎解き。
映画のラスト、密室で少年が
腕を切り落とされて死んでい
るという衝撃的な場面で終わ
り、犯人もトリックも明かさ
れないまま物語が中断してし
          まいます。
続きを知りたい千反田えるの
好奇心に導かれ、奉太郎たち
古典部メンバーが「未完成の
 ミステリー」に挑む展開です。


愚者のエンドロール 「古典部」シリーズ
米澤 穂信 (著), 高野 音彦 (イラスト),
清水 厚 (写真)

「わたし、気になります」文
化祭に出展するクラス制作の
自主映画を観て千反田えるが
          呟いた。
その映画のラストでは、廃屋
の鍵のかかった密室で少年が 腕を切り落とされ死んでいた。
誰が彼を殺したのか? その
方法は? だが、全てが明か
されぬまま映画は尻切れとん
     ぼで終わっていた。
続きが気になる千反田は、仲
間の折木奉太郎たちと共に結
   末探しに乗り出した! 
さわやかで、ちょっぴりほろ
    苦い青春ミステリ! 

<古典部>シリーズ第2弾!

愚者のエンドロール 「古典部」シリーズ
米澤 穂信 (著), 高野 音彦 (イラスト),
清水 厚 (写真)
Amazonより

登場人物

折木 奉太郎  主人公。神山高
校1年B組。「省エネ主義」
を信条とするが、推理力に優
   れ、古典部の謎解き役。

千反田 える  古典部部長。好
奇心旺盛で「わたし、気にな
ります」が口癖。奉太郎を事
     件解決に巻き込む。

福部 里志  奉太郎の親友で古
典部員。雑学に強く「データ
ベースは結論を出せない」が
   持論。ムードメーカー。

伊原 摩耶花  古典部員。奉太
郎・里志の幼なじみ。率直な
性格で、推理にも積極的に関
           わる。

入須 冬実  2年F組の「女帝」
と呼ばれるリーダー格。映画
制作班をまとめ、古典部に映
   画の謎解きを依頼する。

本郷 真由  2年F組の映画脚本
担当。体調不良で脚本を途中
で断念し、映画が未完となる
       原因となった。

2年F組の映画制作班  映画「
 万人の死角」の制作メンバー。
結末が不明なまま映画が完成
 し、古典部に解決を依頼する。

本作のミステリーの構造

  • 密室殺人:廃屋の密室で起
    きた殺人事件。被害者の腕
    が切断されているという異
             様な状況。

  • 未完の映画:映画の脚本が
    途中で途切れており、真相
    が提示されないまま終わっ
              ている。

  • 脚本家の不在:脚本を書い
    た生徒が途中で離脱してし
    まい、クラスメイトたちも
          結末を知らない。

  • 複数の推理:古典部のメン
    バーや映画制作班がそれぞ
    れ仮説を立て、真相に迫ろ
    うとするが、決定打が見つ
             からない。

この「未完成のミステリー」
をどう解釈し、どんな結末を
導き出すか――それ自体が本
 作の大きな謎となっています。

名言

「愚者は経験に学び、賢者は
       歴史に学ぶ。」

本作の根底には、「愚者」と
は誰か、そして「エンドロー
ル」とは何を意味するのかと
   いう問いが流れています。

読後の感想

読後、私は思わず寒気を覚え
           ました。
 なぜなら、謎そのものよりも、
人間の弱さや諦め、そして「
未完成」であることの苦さが
     心に残ったからです。
折木奉太郎の推理は、ただ論
理を積み上げるだけでなく、
人の心の闇や限界にも静かに
      寄り添っています。

「やらなくてもいいことなら
やらない」――そんな奉太郎
 が、”える”の「気になります」
に動かされて、未完成の物語
に自分なりの結末を与えよう
          とする姿。
その過程で、彼自身もまた「
愚者」であることを受け入れ
 ていく成長が描かれています。

『愚者のエンドロール』は、
青春のほろ苦さとミステリー
の知的興奮が絶妙に絡み合っ
         た一冊です。
未完成の謎に挑むことで、私
たち自身もまた「愚者」とし
て、何かを学び、成長してい
     くのかもしれません。

未完成だからこそ、心に残る
         ミステリー。
そんな一冊を、ぜひ手に取っ
      てみてください。

Kindle版

Audible版

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自己紹介
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