医療モノなのに、医療の話はほぼ二の次
読んでいてずっとニヤニヤが止まらなかった一冊、『空中ブランコ ドクター伊良部』。
伊良部先生、見た目は色白でちょっとぽっちゃりなただの精神科医に見えるのに、患者さんの心にズバッと切り込む姿がなんだか頼もしい(笑)。
空中ブランコ ドクター伊良部
奥田 英朗 (著)
跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り。刃物はおろか机の角まで怖い尖端恐怖症のやくざ。ダンディーで権力街道まっしぐら、の義父のカツラを剥がしたくてたまらない医者。伊良部総合病院地下の神経科には、今日もおかしな患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が……この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者を癒す名医なのか!? 直木賞受賞。『イン・ザ・プール』につづく絶好調のシリーズ第2弾!
奥田 英朗 (著)
Amazonより
✻あらすじ✻
僕の名前は伊良部一郎。伊良部総合病院の神経科で、毎日「普通じゃない」患者たちと向き合っている。
跳べなくなった空中ブランコ乗り、尖端恐怖症で刃物どころか机の角さえ怖がるやくざ、そしてダンディで権力街道まっしぐらの義父のカツラを剥がしたくて仕方がない医者……。今日も地下の診察室には、そんなおかしな人たちがやってくる。
でもね、僕には誰にも言えない妙な癖がある。外見は色白でデブなただの精神科医。でも、患者たちの心の奥底に踏み込むとき、僕はちょっとだけ普通じゃない方法で、彼らの悩みを揺さぶることもあるんだ。
果たして僕は、泣く子も黙るトンデモ精神科医なのか、それとも本当に病める者を癒す名医なのか――。今日もまた、病院の地下で奇妙で笑える、そして少し切ない物語が始まるんだ。
📖感想
笑いすぎてお腹が痛い。
私が通うのは伊良部総合病院の地下――じゃなくて、この本の世界だけど、ここに登場する患者も医者も、とにかく普通じゃない。跳べなくなった空中ブランコ乗り、机の角さえ怖がるやくざ、そして色白でデブなドクター伊良部。
伊良部先生、名医なのか迷医なのか全然わからない。でも、その変人っぷりが絶妙で、読むたびに「え、そんな診療するの!?」って笑い転げる。前作『イン・ザ・プール』で味わったあのカオス感が、今回も健在。
医療モノなのに、医療の話はほぼ二の次。とにかく笑って、ちょっとゾッとして、でも最後には「この医者、ちょっと信頼できるかも…?」と思わせる絶妙なバランス。
もう、伊良部先生の次の奇行が楽しみで仕方ない。精神科の世界はこんなに自由で面白いのかと、心から爽快になれる一冊でした!
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自己紹介
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