阿呆の血が騒ぐ、狸と天狗と人間の京都絵巻
『有頂天家族 二代目の帰朝』
矢三郎の“阿呆の血”に憧れつつ、慎重すぎる自分に苦笑い…ちょっと分けてもらえたら人生もっと軽やかかも。
有頂天家族
二代目の帰朝
森見登美彦 (著)
狸の名門・下鴨家の矢三郎は、親譲りの無鉄砲で子狸の頃から顰蹙ばかり買っている。皆が恐れる天狗や人間にもちょっかいばかり。そんなある日、老いぼれ天狗・赤玉先生の跡継ぎ〝二代目〟が英国より帰朝し、狸界は大困惑。人間の悪食集団「金曜俱楽部」は、恒例の狸鍋の具を探しているし、平和な日々はどこへやら……。矢三郎の「阿呆の血」が騒ぐ!
二代目の帰朝
森見登美彦 (著)
Amazonより
著者:森見登美彦
出版社:幻冬舎
発行年:2015年(文庫版:幻冬舎文庫 2017年)
ジャンル:ファンタジー小説/京都舞台/家族物語/ユーモア小説
表紙:京都の街を背景にした表紙。
概要
狸の名門・下鴨家の三男 矢三郎 は、親譲りの阿呆で無鉄砲。天狗や人間にちょっかいを出しては騒動を起こしている。
そんな京都に、老天狗・赤玉先生の跡継ぎである 二代目 が英国から帰朝。プライドが高く傲慢な彼の存在は、狸社会や天狗界に波紋を広げる。
主要人物
矢三郎:主人公の狸。阿呆だが心優しく、好奇心旺盛。
矢一郎・矢二郎・矢四郎:下鴨家の兄弟たち。
赤玉先生:老天狗。かつての勢いを失っている。
二代目:英国帰りの天狗。横柄だが圧倒的な存在感を持つ。
弁天:美しき人間の女性。天狗の術を身に付け、自由奔放に振る舞う。
金曜倶楽部:人間の悪食集団。毎年「狸鍋」を楽しみにしている。
✻あらすじ✻
二代目帰朝によって京都の天狗社会は揺れ動き、狸界も緊張感に包まれる。さらに金曜倶楽部の「狸鍋」の季節が迫り、下鴨家を中心に大騒動が勃発。矢三郎は持ち前の阿呆さと機転で、仲間や家族を守ろうと奔走していく。
印象に残った言葉
「阿呆の血が騒ぐ!」
矢三郎が何かに飛び込んでいくときの合言葉のようなフレーズ。無謀にも見えるその行動力の裏に、「家族を守りたい」という強い意志があるのだと感じました。
また、二代目と弁天という強烈なキャラクターの対比も印象的。権威と自由、美と傲慢さ、憧れと畏怖が入り混じる不思議なバランスに心を奪われました。
◆感想◆
前作よりもさらにスケールが大きくて、登場人物それぞれの葛藤や成長がキラキラ際立っていました。特に矢三郎の“阿呆さ”。これがただのお調子者じゃなくて、「怖がらずに飛び込む勇気」と「家族への底なしの愛」に支えられているんだなぁと思うと、もう愛おしくて仕方ありません。
読みながら、私はつい自分を重ねてしまいました。普段、何かと慎重に考えすぎて、結局チャンスを逃しがちな私…。でももし矢三郎みたいに「阿呆の血」がちょっとでも流れていたら、もっと軽やかに、もっと楽しく生きられるのかもしれない。そう思わせてくれる物語でした。
まとめ・おすすめ
『有頂天家族 二代目の帰朝』は、京都を舞台にした狸×天狗×人間の愛すべき大騒動ファンタジー。笑いながらも、家族の絆や自分の生き方を考えさせられる一冊です。
おすすめ読者
前作『有頂天家族』を楽しんだ人
京都とファンタジーの組み合わせが好きな人
家族の愛とユーモアに包まれた物語を味わいたい人
次に読んでみたい
・森見登美彦作品の中で「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」の『夜行』または、著者のエッセー本『太陽と乙女』
Kindle版

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自己紹介
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