V630
「枯れ葉がひゅっと舞い散るこの頃になって」
この日は特別なにかをする予定は無かった。
きっと仕事も手につかないだろうし、
ゆっくりお家でライブDVDや撮り溜めた懐かしい映像を見るV6デーにしよう。
そう思いお休みをとっていた11月1日。
活動を続けていれば30周年の節目だった今年は
数日前からどこか様子がおかしかった。
10月26日のお昼過ぎ仕事の休憩中に開いたX。
瞬間目に飛び込んできた文字に思考が停止した。
さ、ぶ、す、くかいきん…??
…!!!!!?!!!??
こんな日がくることを待ち侘びていた気がする。
心のどこかで30周年の今年は何か起きるんじゃないか、なんて少し期待もしていたと思う。
11月1日V6全曲サブスク解禁。
それでもほんとにほんとに信じられなくて何が起きたかわからず、え?え?え?と焦る気持ちに手がもたつきながらSNSを見漁った。
2022年に止まっていたはずのV6の公式SNSが動き出した。
2025年のお知らせにNEWのマークがついている。パニック中の頭は追いつかない。
トニセンのXのスタッフさんによるポストには
"ようやく全員そろいました。"
なんて言葉が。
何気ない瞬間に残りの3人の声だけがいないことに寂しさを感じていたから、この言葉に無性に泣きたくなった。
もうそこからは凄かった。
彼ら解散したはずなのに公式が毎日特別なお知らせで動いている。規模がとにかくでかいのだ。
カラオケにゆりかもめジャック!?
ブイロクの木思い出ノートだと、、?
えっと~なにがおきている??
正直、2021年に解散をして26年の活動に終止符をうったV6に30周年おめでとうはなんだが違う気がしていた。6人は前に進んでいるから。
だいすきな健くんは立ち止まった手を引っ張ってくれるから、わたしも一緒に歩み出したいと思えた。
それでも風化させたくない気持ちとやるせないファン心でこっそり30周年のお祝いを..なんて思っていた。
見えないボーダーラインのような何かがずっと目の前にあって不安だった。
正解が分からなかった。
でも公式がそんな杞憂をブン殴る勢いで盛大にお祝いムードを出してきた。
そういうところだいすきだ。
毎日届くサブスク解禁記念情報。
1番驚いたのは未発表楽曲「笑顔が好き」
解散から4年。なんと彼らはまだそれはそれは特大の置き土産を残していた。
新曲が?聴けるのですか…?
前代未聞の数々に
ファンのあいだで呟かれだした
"V6解散するのはじめてだから〜"
なんてノリにいいねを100回は押したい。
そんなこんなで11月1日までのざわつくカウントダウンがはじまった。
⭐︎⭐︎⭐︎
ブイロクの木に行こうと決めたのは出発の2日前だったとおもう。
イベントが発表されたときは遠征するか迷ったのだけど、ちょうどイベント前日の31日も仕事が休みだったのもあり、行きなさいと神様に言われている気がした。
思えばラストライブは東京まで行くという選択肢が無かった。当時学生だった私には金銭的な余裕もなく地元で会えるコンサートにしか行ったことがなかったのだ。
複数回ライブに行ったり、ツアーを一緒に回るという概念が自分に根付いたのもつい最近のことだった。
一度しかない30周年。有り得ない状況だけど有り得てしまった公式のイベント。
これは行かないと絶対に後悔する!
そう決心して1人急遽東京への弾丸旅行が決まった。
1日目の夜はホテルで明日の思い出ノートに書く内容をまとめた。
その場で書く時間がないかもしれないと思い念の為ノートを小さくカットして事前に書いたものを用意していた。
深夜0時前、後3分、2分、1分と時計を確認しながらサブスク解禁をじっと待った。
1番目に聴く曲は直前まで決まらなかったけれど、なんだかんだ1番最初に思い浮かんだのは
愛のMelodyだった。
コンサート中、皆んなのペンライトがサビで同じ動きになるのが綺麗で好きなんだと。
健くんが以前どこかで言っていたのがずっと心に残っていた。
人生初めてのライブで一緒に踊るぞ!なんて意気込んでは振り付けを覚えた思い入れのある曲だ。
時間は0時ちょうど。
事前に登録をしていたSpotifyのページを開くと
たくさんのV6の曲で溢れていた。
無数の曲の中から愛のMelodyを探してイヤホンを耳につける。
再生ボタンを押した瞬間、6人の声が一斉に耳の中に流れ込んできて、一気に青春に引き戻される感覚がした。
イントロの無い愛のMelodyは最速で6人に会いに行ける曲だった。
しばらく目を閉じて聴いていると色んな思い出が頭の中を駆け巡って
無性に6人に会いたくなった。
その後も何曲か聴いて涙をひとしきり流し終えた後、笑顔が好きを聴いた。
"予想外"
この言葉が1番しっくりくる。
ポップな曲調は、泣かせたいわけじゃないんだと言ってくれてるようだった。
笑っていてねと最後まで背中を押してくれたV6らしさに自然と笑顔になった。
上下左右から6人の声が響いてくる。包まれる。
盛大にぽーん!と飛んでいく健くんに満面笑顔になる。
"予想外だけども、V6らしい"
4年ぶりの新曲はそんなあたたかくて、優しい曲だった。
ブイロクの木があるなぎさ公園へ行くのは今回が2回目だった。
海のそばで心地よく吹く風や学校の懐かしいチャイム音が鳴り響く、のどかで空気の澄んだ美しい場所だ。
不思議とパワーをもらえるまさしく御神体のようなオリーブの木。
ここでまた再会できたことが嬉しい。
高台にある木の側までいくと、既に沢山の人が並んで列を成していた。
この日は天気が心配されていたけれど、暑いくらいに快晴だった。
少しづつ進む列に自分の番を待つ。
上の方まで登り折り返した時にちらりと見えたのは木の前に一つだけ置かれた学校の机だった。
スタッフさんが用意した撮影セットだろう。
その上に並ぶ大学ノートや鉛筆削りが懐かしい。
V6と共に青春を過ごした私たちの待ち合わせ場所はやっぱり共通認識で学校だった。
私の番が回ってきて、事前にメモに書いたものを持ってきていたけれど、せっかくここまで足を運んだのだからやはりあのノートに書き残したいと思い、一生懸命6人への想いをその場で書き記した。
あの6冊のノートはどこへ行くのだろう?
いつか6人のもとへ届けられるのだろうか?
もしそうなら、それはなんだかタイムカプセルのようだと未来が楽しみになった。
きっとまだこのイベントは終わっていないはずだからその時まで楽しみに待ちたい。

ブイロクの木のイベントの後はゆりかもめのV6ジャック車両を見つけることが今回の旅でもう一つの目的だった。
清掃のため車庫に戻り今日の運転は無いとXで見かけたときはこの世の終わりかと思ったけれど、優しい方が運転再開のお知らせをわざわざ送ってくれた。
見つけた時は近くにいたVクラさんとあの電車だ!と反対ホームへ走ったりてんやわんやしながらなんとかジャック車両に乗り込むことができた。
全車両がV6で溢れていた。こんな幸せなことがあっていいのだろうか?
解禁されたサブスクを聴きながらV6の歴代ジャケ写を電車で眺める体験はまるで本当にV-landの中に入り込んだようだった。

この日の記念にどうしてもカタチとして残したかったものがある。
健くんが解散後のストーリーに上げていたLELABOのCEDRE11の香り⭐︎
昨年はキャンドルを購入したので今回はルームフレグランスにメッセージを入れて購入した。
30周年の日付とともに残すことができて嬉しい。
今も毎日寝る前はこの香りで部屋をいっぱいにしている。。幸せだ。。

30周年を盛り上げようと立ち上がってくれたスタッフさんたちがいてくれたことや、それを実現できるあたたかなファンと愛されすぎているV6。
どれも一つでも欠けていたらこんなお祝いはきっとできなかった。
素敵な人たちを好きになれて、出会うことができて私は本当に幸せだとおもう。
V6がくれたたくさんの思い出がお守りとなって
これから先の人生でもきっと私の未来を照らしてくれる。
まだ少し寂しい日がきても、そんな日もまた
「笑顔が好き」を聴いて勇気をもらうのだから。
⭐︎⭐︎⭐︎
お・ま・け
(というには長すぎるオムライスを食べてきたよというはなし)
いいよという方はもう少しお付き合いください☺︎
31日の夜は以前から訪れてみたかった杉山亭さんに行くと決めていた。
健ちゃんの食卓でも紹介されていた健くんが東京で1番オムライスが美味しいというお店だ。
杉山亭さんへ向かう電車の中で健くんの動画を振り返り見ていた。もう何回見たかわからない。
するとあることに気づいてしまった。
今日もしかして営業していない…?
概要欄にはっきり
現在は土日のみの営業です。と書いてある。
でもでも、Googleや食べログにはしっかり営業中と記載されている。どっち、、?
もうあと一駅で目的地というところまできてなんという誤算。
でもでもでもここまで来たし、、と諦めきれない私は折角だし店前までだけでも行ってみて雰囲気だけでも味わうかとそのまま杉山亭さんへと向かってみることにした。
西小山駅から雨の中を歩くこと数分。
なんということだろう。
OPENの看板がおりている!!
やってる!オムライスが食べられるぞ!
なんて喜びながらカランコロンとベルが鳴る扉を開けた。
「いらっしゃいませ。こんばんは。」
そう優しく声をかけてくれる見たことのある店主さんとその奥さんだろうか?
2人の他には常連さんらしい方が1人カウンター席に座っていた。
3人だけの空間にお邪魔するのは少し緊張した。
店内は洋食屋さんらしいウッドカントリー調の家具とオレンジ色のライト。動画で見ていたまんまの温もりを感じる。
カウンター席へ案内され、1人座った。
右隣にはその常連さん。
「お嬢さんどこから来たの?」と気さくに声をかけてくださってその後少し一緒に会話をした。
メニュー表を渡されたけれど頼むものは決まっていた。
オムライス、
コーンクリームスープ、
それから食後にはラムレーズンアイスとホットコーヒーだ。
まさしくIVYです!と丸わかりのオーダー。
ここで駄目な私はホットコーヒーまではバレバレな気がして頼めなかった。今となってはそこで躊躇する意味が全くわからない。
ちょっと気恥ずかしくて、私はこういうときバレないようにこそこそしてしまうのだけど、皆んなどうしてるのだろう?
次は絶対にラムレーズンアイスとホットコーヒーの"まりあーじゅ"をリベンジしなければならない。(健くんのまりあーじゅの言い方がたまらなく好きだ)
料理が出来上がりカウンターに置かれる。
大きな平たいお皿で出てくるコーンクリームスープは憧れの洋食屋さんという感じがした。
とろっとろで優しい甘さと絶妙な塩加減。
空腹と雨で冷えていた身体に沁みてとても美味しかった。
常連さんとお話をしていたらオムライスが出来上がった。
1番心待ちにしていたオムライス。
ほかほかと湯気が立ちのぼり、デミグラスソースがキラキラと輝いていた。
健くん曰く、ここのオムライスはデミグラスソースに負けないケチャップライスにハマるのだとか。
一口食べて思わず、ん!と言ってしまう。
オムライスって卵が主役だと思っていたけれど、これは中のケチャップライスがほんとに美味しかった。
ケチャップたっぷりのライスというよりリゾットはデミグラスソースに負けずにトマトの味がしっかりしていた。
これも健くんのいう"まりあーじゅ"だななんて思った。
猫舌の私には熱々で、はふはふしていたけれど
美味しくて美味しくて、それはもう食べる手が止まらなかった。



食べているとき目の前で店主さんと奥さんがお昼に来たという健くんファンの子達の話をしていたので、実は私もそうなんです、、とカミングアウトをしてみた。
動画でも見せていた優しい目で、「健くんのファンクラブの方ですか」と話をきいてくれた。
今年V6が30周年記念なこと。
ブイロクの木の下で思い出をノートに書くイベントがあること。
そのために関西からやってきたのだと、ここに来るまでの話をする間、すごく優しい表情で何度もそうですか、そうですかと相槌を打ちながら話を聞いてくれていた。
そういえば平日も営業してることについてだが、
以前土日のみの営業をしている時期があったそうだ。
その時の情報がおそらくそのまま残ってしまっているのだろうと話していた。
色んな情報があるからそうして訪れるのをやめてしまう方もいるのだと少し困っている様子だった。
どうか私みたいな方がいたら平日もオープンしていらっしゃるので、諦めずに行ってほしい。
でも健くんも最近もよく来てるよと少し不思議そうにしていた。
そしていつもそこの席から開高健さんの詩をじっと眺めてるのだと、嬉しそうに教えてくれた。


甘くて大人な味のするラムレーズンアイスを食べ終わる頃には雨が激しくなってきていた。
そろそろホテルに帰らないとなという時間になった時、帰りたくないと思った。
こんなに店を出るのが名残惜しい経験は初めてだったので少し自分でも驚いた。
健くんのこと軽く分かったようには言えないけれど、何度も通いたくなる所以がたくさん詰まった優しいお店だなと私なりに感じることができた。
できれば近いうちに絶対にまた来たい。
行きたいと思った時に行動をする。会いたい人には会いに行く。
自分が歳をとったのと同じように周りも年老いていくのだから、変わらずにはいられない寂しさを感じ始めたとき、健くんから教わった教訓は今では私の中での座右の銘のような立ち位置にいる。
第4木曜日の君真空管健で紹介されたお店は健くんの大切がたくさんたくさん詰まったお店だ。
訪れるのにはそれ相応の勇気がいるけれど、
健くんの色んな想いを感じながらまた別のお店へもいつか足を運びたい。
⭐︎⭐︎⭐︎
