【炭火串焼き ねぎま家】と、幻の茜空
【お仕事お疲れさま一杯セット】
ドリンク1杯、おまかせ焼鳥3種、牛と豚モツの味噌煮込み。
待ちに待った、一杯が始まる。
この日は出張で千葉へ一泊した。
宿泊先のホテルでまずは作戦を練る。
最寄りの西千葉駅まで徒歩約15分。
Googleに出てきた飲食店を上からざっと見て、候補を絞る。
①1番近い博多ラーメン徒歩5分。
②オシャンな創作フレンチ2800円〜車で15分。
③駅近のバーを射抜いた怪しい居酒屋茜空徒歩約10分
迷ったら、怪しい方へ
②オシャンと迷った挙句、
③怪しい居酒屋茜空へ進路を決めた黄昏時、スマホを片手に歩き出した。
初めての場所で散策するのは、少しばかり心拍数が上気する。
ワクワクと、僅かな不安と緊張感と。
野営に近い山中でのソロキャンプの感覚に似ている。
近くに人の気配の無い山の中。灯りが届かぬ暗がりの先から、「カサカサッ」と聞こえる闇に目を凝らし、身構える。そんな感覚。
暗やむなか、視覚と交感神経をバッキバキにして、目的地までの短い探検の旅を愉しむ。
今はスマホが道案内もしてくれる便利な世だ。少なくとも2000年前後の散策は地図頼りだったはずだ。車のナビが普及するまでは、実家の車にもぶ厚い地図が装備されていた。そんな事を思い出し、帰りはスマホに頼らず勘で帰る縛りを設けた。
早速現れた歩道橋に足を止める。
なんだか夜道にさしかかる歩道橋って雰囲気あるな。

林を抜けるのか?
不気味だわ。

薄暗い道の先にそわそわする。
Googleナビは、私をどこへ、いざなうのだろうか。

踏切を抜け、豪邸もチラホラ並ぶ住宅地をしばらく歩き、駅の近くに出た。
そして、目的地に辿り着く。
すると…

なんとメシが食えない(゚д゚lll)‼︎
こんなことある⁉︎
怪しさとしては満点だが、流石にメシは食べたいのだよと思い、付近をぶらつく。
生活感を感じる適度な駅前感。

門前の雰囲気が良い。メニューも高く無い。

焼き鳥屋の「ねぎま家」に決定!
まずはお通しに、ネギだくのカツオの叩き2きれと生ビールが届く。齢18前後のビジュ映えする綺麗な娘が運んできた。居酒屋って、間違いなく顔採用あるよね。看板娘の存在は、多少なりとも売り上げに影響する。
カウンターの向こう側から、熱っせられた油で何者かが揚がる音がする。小気味の良いジュワジュワジュワと音を聞きながら、揚げ物の匂いと共に、神泡を頬張る。炭火で香ばしく焼かれる焼鳥の、脂が炭にジュウと滴る匂いもスパイスに、お通しのカツオを噛みしめる。

メニューを見て、料理を想像するのが好きだ。
普段は想像すらしない料理があると、いっそう面白い。


18:30頃には満席だ。
さつまいもチップスはちみつバター味300円で〆る。
ポテトチップスというよりは芋ケンピ寄りの、しっかり硬いパリパリだ。熱々の黄金色に揚げられたさつまいもに、悩ましいバターの香りを纏わせ、はちみつを絡めてシズル感を出している。
あっさり地味なさつまいものスライスが、なんと魅力的に成長したことだろう。まるで、つま先からまつ毛の先まで念入りにメイクアップしたかのような、輝かしい仕上がりだ。

食べ始めはパリガリだが、魅惑のハチミツとバターで底の方はしんなりしているものもある。だがそれすらも良い。
しかしこれ、出てくるのが割と早かった。
「これ美味しかったんですけど、オーダーを受けてからスライスしてるんですか?それともスライスして準備してあるんですか?」
あまりの出来の良さに聞いてみた。看板娘に。
鼻の下は伸びてはいなかったはずだが、鏡は見ていない。
なるほどと、企業努力と手際の良さと、クオリティの秘密を知った。
最後に少し人目を気にしつつ、指についたしあわせバターを嗜みおあいそする。
通勤や移動が電車なら、こうした飲み帰りもできるのだが、車社会の地方では、なかなかこうした冒険もままならない。
たまにはこういうことも必要だ。
見知らぬ街の、ふらりと入る見知らぬ店。
ごちそうさまでした。
昨日見た、にわのともこさんのUSJ旅行記事、今日の注目記事の様なよく整った旅記事より、パンチがあって面白かったです。ソロ飯旅とは全然違った華があるなと思いました。やっぱり、女子旅は賑やかで華やかですね。デザート代わりに読んでみてはいかがでしょうか。ぜひ。
