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柿ゼリー VS 柿ようかん | トロトロに熟れた完熟柿で、僕の熱々寒天初体験 【長編】

ぷるんぷるんっ


と、ゼリーが小気味良く弾めば

ねっとり……


と、ようかんがしたたかに押し潰れる。


ゼラチンか、寒天か。


女か、男か、くらいの違いがある。

しかし女と男も、熟成の期間を経て刻むシワが濃くなる程に、その違いは薄くなる。どこにナニが付いていようといなくても、齢100も超えてくれば、皆木の精霊みたいないでたちになる。
少なくとも私が大好きだった本荘ばあちゃんは、森の入り口に静かに寝転び番をする、木の精霊のようであった。

ゼラチンと寒天も、その濃度が濃くなる程に固くなり、その違いは薄くなる。

しかし、やはり似て非なるものであり、その使い方や分量次第で、仕上がりの食感は全く異なるものにも出来る。

ゼラチンは、動物由来のコラーゲンなどが原材料である。体温程度の温度でも溶け始めるため、ぷるんとした食感と、口の中で溶けるような食感が楽しめる。ぷるんとした弾力のゼリーや、柔らかく口溶けの良いムースなどに使われる。

「ゼリー職人が我を忘れて目指すのは、ひとえにおっぱいの柔らかさです。男性のおっぱいか女性のおっぱいかは、好みなので問いません。ゼラチンでおっぱいの柔らかさを出せるようになれば、晴れて一人前のゼリー職人なのですよ。」と男は柔らかくはにかんだ。

一方で寒天は、海藻などが原材料だ。海藻は、海流渦巻く海の中で、しっかり形を保ちつつ柔軟でなければならない。そのため寒天にはしっかりとした食感がある。心太ところてんやあんみつの寒天、ようかんなどに使われる。

「寒天職人が一心不乱に目指すのは、ひとえにお尻の柔らかさです。男性のお尻か女性のお尻か、老若男女は好みなので問いません。ゼラチンでお尻の柔らかさと硬さを出せるようになれば、晴れて一人前の寒天職人なのですよ。」としたたかにほくそ笑んだ私。



ええぃ!
さっきから聞いていれば、おっぱいがぷるんだとかお尻がねっとりだとか、実に馬鹿馬鹿しい。もっと大事なことはないのか?


「 おっぱいは、バランスである 。」



これは一体……


ナニの話ですか。


つい食感の例えから妄想が過ぎてしまった。そう、全ては妄想であり創作だ。だが、大事な持論だけは、嘘偽りのない清らかなる心の叫びである。

そして実はあんみつに入っているゴリゴリした寒天、少し苦手だ。せめてもう少し味がしたら良いのに。蜜をかけるとは言え、どうしてあんなに薄味なのだろう。これもワビとサビなのだろうか。それならワビもサビも剥ぎ取って、全部ナタデココにして欲しいとすら思ってしまう。

そんな訳で、これまで長らく寒天を使って来なかった。
僕は寒天を買った事すらない、ズブの 寒 天 素人ど う て いだ。

駄菓子菓子


見てしまったのだ。
これまた寒天マスターのレシピ記事を。

             やさちいごはんさんの記事より引用

こんなつるんとした水ようかんが、寒天を使っておウチで作れるだって?!

私には分かるのだ。このレシピは幾度となく研鑽を重ねて弾き出された黄金比だ。この黄金比をギリギリラインとして考える事にした。

所変われば、スーパーに何種類も水ようかんが置いてあるという。

まさに水ようかん天国パラダイスや!

    とあるスーパーにて やさちいごはんさん記事より引用


正直あんみつの寒天は苦手だが、水ようかんは大好きだ。嫌よ嫌よも好きのうちと言うが、こういう事だったのだろうか。


私ったら…


水ようかん、


作りたくなっちゃった。


こうしてこのおじさんは、ズブの寒天素人を脱するに至ったのであった。


──────・・・さぁここからが本番折り返し。どうか、ついてきていただけますか・・・────────

時は遡ること2025年、渋抜き中の柿をいただいてすっかりその存在を忘れてしまい、12月末に冷蔵庫に移し入れ、正月を越してしまった柿達がいた。

正月のバタバタに気を取られ、見て見ぬふりをして、きっとまだ大丈夫と目を背けていた。そしていざ、時は来たれりと向き合ってみた時には完熟もいいとこで、皮はしなびて実はブヨブヨになってしまっていた。

おじいちゃんのキンタマとはこんなものだったろうか。

私は悔いた。フルーツとして生で頂くには、在りし日の柿の姿と、過ぎ去りし日々の自分の罪と向き合うことになる。それならそれで背徳の食味であるが、どうせならポジティブに、熟していた、熟させたと捉える為に、食材として迎え入れ、贖罪しょくざいとすることにした。

これはこれで甘く官能的な味わい
溺れるならば、こんな泥沼に溺れたい

そして太いストローで吸い立てたい。

そんな気持ちをどうにか抑え、

まずはゼラチンでゼリーにしてみる。


正月気分を引きずって、ぜんざいのあんでおめかしをした。
大人はラムレーズンと、それを漬けていたラム酒シロップもあんに隠して大人の風味付け。

これだけでもすすれる。

カメラに子供撮影用のレンズを装着していた。結構違うものだ。
Viltrox AF 23mm F1.4〜
少し煮立ててアルコールを気持ち飛ばし、粘度を高める。
Super Multi Coated Takumar 55mm f1.8〜


メモ📝
柿ゼリー
水100mL(かさ増しのため水多め)にゼラチン5gを加えて火にかけ80度程でよく溶かす。
柿ペースト200mLを火にかけ、砂糖大さじ1〜3辺りで味を一旦調整。
熱いうちにゼラチン液を合わせて再度甘みを確認、調整。型に流し入れて冷やし固める。

次回は合計400mLで5gにしてみる。

完成

いただきます。

これはこれで美味である。
しかし柿の橙色の皮の部分はザラザラした繊維感があり、それが一部残ってしまっていたのか、ゼラチンの溶け残りか、食感がザラついていて洋梨のピューレを固めた様な食感だった。トッピングのレーズン餡は美味く、一緒に食べるとザラついた食感も気にならなかった。


お次はいよいよ、僕の初めての寒天で固める番だ。

シリコンのカヌレ型

実は始め上手く固まらなくて、追加で袋に残っていた寒天0.8gを大さじ1程の水でレンチンして、溶かしてとろみがついた液を追加し固め直した。はじめに、寒天液を温め溶かすのが不十分だったことが思い当たる。箱に記載の説明では、寒天液を1〜2分沸騰させるとあった。

寒天は一度、熱々にしなければならないのだ。

メモ📝
柿ペースト300mL
砂糖大さじ大1〜3で味を調整。
水30mLに寒天(1〜1.8g)を加えて煮溶かす。
温めた柿ペーストに混ぜ、甘みを確認して型に流し入れ冷やし固める。
寒天は沸騰させて溶かすこと。

完成

いただきます。

瑞々しい口触りで、ゼラチンとはやや違ったあっさりとほぐれるような食感だ。水ようかんのような食感。さっぱりといただいた。

今回のゼラチンの柿ゼリーと寒天の柿ようかんの勝負だが、結果は甲乙つけ難い。ゼリーの方はややまとわり付く感じがあったが、案外食味が似ていたのだ。

結論、どっちも美味い。


──────・・・


肝心の水ようかんがまだだった。
別日に水ようかんと柿ようかんで、チロルチョコみたいな二段重ねを作ることにした。

家にあったカップおしるこを使う事にした。
我が家では、自分の、と言っても主に私が買ったもの、食べたいもの、使う食材に、しっかりと名前をしるしとして刻んでおかないと、いつの間にかその中身が消失し、朝になるとその抜け殻を発見して愕然とする事がしばしばある。



しかも、なぜだか美味しそうな食べ物から消失してしまうのだ。


このジャイアニズムとも言うべき不可思議現象から身を守る為に、このおしるこにも印が刻まれているのだ。いつでも印を刻める様に、冷蔵庫脇にはマジックペンが装備されている。


おしるこを軽く煮立てて寒天液を混ぜる。
一層目 : 寒天を混ぜた柿ペーストを入れる。

冷蔵庫で冷やし固める。

二層目:水ようかん液を注ぎ足す。

冷蔵庫で冷やし固める。

ポンッ‼︎

完成

型ものを作る際には、シリコン型は大変便利だ。金型だと外れやすい様にバターや油をぬったり、仕上がり後に湯煎したりと少々気を遣うが、シリコンは多少強引にでもいける。


いただきます。

やはり伝統が引き継がれているだけあって、水ようかんは美味しい。今回ゼラチンと寒天で3パターン作成したが、このチロル式が一番好みだった。おそらく水ようかんだけで美味しいのだ。上の柿はもはやトッピングみたいなものだ。

僕は齢40を超えてから寒天と初めて対峙したが、仲良くなれそうな気がした。

寒天は熱々に沸騰させ、しっかり溶かす事が唯一のポイントだろう。逆にゼラチンは変質してしまうので、沸騰させず80℃程度で溶かす。


寒天もまだあることだし、今度はやさちいごはんさんのレシピで水ようかんだけ作ってみたい。
寒天職人を目指して。









最後までご覧いただき、ありがとうございました。

ではまた、お会いしましょう。

良い週末を。

参考にさせて頂いた、美味しそうな手作り水ようかんの記事、黄金比はこちら↓



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