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15歳、ただ会いたかっただけ。第十五話 まだ先のはずなのに

放課後。


いつもの4人で会った。


軽い会話が流れていく。


笑ってる声も、距離も、何も変わってない。



「ねぇさ」


みさきがふと、軽い調子で言う。


「ほんとに10月で終わりなんだよね?」


一瞬、空気が止まる。


「……うん」


としが普通に返す。


それ以上でも、それ以下でもない。


かずきはいつも通り笑ってる。


そのまま会話は続いていく。


でもその一言だけが残る。


笑っているのに、
口の端が、うまく上がってない気がした。




少しだけ人が減った道。


みさきと並んで歩く。


いつもみたいに話してるのに、少しだけ間が違う。


「ねぇさ」


みさきが小さく言う。


「さっきのやつ、なんかさ」


「うん」


「普通に言ってたけどさ」


「うん」


言葉が続かない。


「なんか、あっさりじゃなかった?」


「……分かる」


即答する。


そこで少しだけ笑う。



「え、やだ、なにそれ」


みさきも笑う。


「こっちが勝手に重くしてるだけ?」


「いやでもさ」


「ね」


どっちとも言えないまま、空気だけが揺れる。


少し間があいて、


「まぁ…まだ先だしね」


みさきがわざと軽く言う。


「そうだね…」


そう返す。


そのあと、みさきが別の話を始める。


かずきの話とか、
今日の授業の話とか。


ちゃんと聞いてるはずなのに、


途中から、何を話していたのか少し曖昧になる。


それで終わるはずだった。


そのまま別れて、一人になる。


さっきまで普通だったのに、


一人になった瞬間、


(まだ先)


その言葉が浮かぶ。


まだ先だから、安心出来るはずだった。




夜。


部屋に戻ってから、


また少しだけ思い出す。


みさきの顔。


さっきの言い方。


笑ってたのに、ちゃんと笑いきれてなかった。


(気のせいかな)


そう思いたいのに、


何か言おうとして、
結局やめたみたいな、あの感じ。


そう思いながら、もう一度思い返す。


同じ時間。


同じ場所。


同じはずなのに、


どこかだけ、
少しずつ噛み合わなくなっている気がした。



ほんの少しだけ、合わないまま続いていく。







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