「戦略的思考」が、AIに取って代わられない自分の「最強の武器」になる!「企業参謀」を読んで
はじめに
こんにちは。HASエンジニアです。
「自分の仕事がAIに奪われるかもしれない」
「価値のある仕事をしているのだろうか?」
こう感じたことはありませんか?
私を含め、多くのホワイトカラー職の方が感じる最近の悩みではないでしょうか?さらに40代以降になるとその不安はさらに増しているかと思います。
AIの目まぐるしい発達によって、単純な事務ワークだけでなく、資料作成、プログラミングなどの業務ですらAIに取って代わられる可能性があり、自分の仕事がなくなってしまうのではという危機感に迫られます。
それでも私は「人間にしかできない付加価値のある仕事」はあると信じています。
戦略の名著は数あれど、半世紀前に書かれた一冊が、今も経営やキャリアの現場で引用され続けている――。
大前研一氏の『企業参謀』は、単なる経営書ではなく徹底した“戦略的な思考法の教科書”です。
今回この記事では、「AI全盛の今、この本を読む意味」と、「現場でどう応用できるか」を私一個人の視点でお伝えします。
この本に書かれた「戦略的思考」を身につけることによって、「AIに取って代わられる未来」から「AIすらも使いこなす最高の未来」が見えてくるでしょう。
本記事および本書は以下の方にお勧めしたい内容になっています。
「AIに仕事を奪われるのでは」と心配している40代以降のホワイトカラー職の方々
「自分にしかできない価値を提供したい」と思っている若手からベテランの経営者、経営企画部の方々
1. 本書の背景と成り立ち
『企業参謀』は1975年に初版が刊行され、その後1977年に『続・企業参謀』が出版。1999年には両方をまとめた「新装版」が登場しました。
私が20代のころにこの新装版を購入して読んでいました。
もともとの原稿は、大前氏がマッキンゼー・アンド・カンパニーでコンサルタントとして活動していた1972〜1975年の私的メモが基になっています。
当時、日本企業は高度経済成長のピークを迎えつつあり、国内市場の飽和や海外進出など、新たな課題に直面していました。
本書は、そうした状況下で「どう考え、どう戦略を立てるべきか」を明快に示した、まさに時代の羅針盤でした。
2. 「敵を知り己を知れば百戦危うからず」をまさに体現した戦略的思考
なぜAI時代に、この本が役立つのか?
その答えが、「AIにはできない『真の問題設定』」を身につけることです。
『企業参謀』で語られる「戦略的思考」は、まさにそのスキルと以下のプロセスを学びます。
現象を把握 ⇒ グルーピング ⇒ 抽象化 ⇒ アプローチ設定 ⇒
仮説の設定 ⇒ 仮説の立証 ⇒ 結論導出 ⇒ 具象化 ⇒ 実行計画
この思考法では、既成概念や俗論に流されず、市場環境・競合状況・自社の強み弱みを冷静に分析します。
そして将来の市場の姿を徹底的に予測し、実行プランとスケジュールまで描くのです。
例えば本書では、日本漁船がニュージーランド沖でのイカ漁を巡って国際問題となった事例が紹介されています。
大前氏は漁船、水産庁、外務省、相手国といったそれぞれの利害関係者の状況や立場、思惑、歴史的背景を読み解き、自国の立場と交渉の落としどころを組み合わせて最適解を導き、さらにそれを現実的に実行できるプランを導き出しました。
孫子の兵法にある「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という名言は有名ですが、自分の人生でそれを体現した経験はなかなかありません。
この思考およびその結論に行くまでのプロセスが、まさに「敵を知り己を知る」戦略参謀の仕事です。
3. 実務で役立つフレームワーク
本書では、企業の多角化戦略や資源配分を考える上で有効なPPMビジネス・スクリーンが紹介されています。
縦軸:事業の魅力度(市場成長性など)
横軸:事業地位(市場シェアなど)
これを高・中・低の3段階で組み合わせ、9つの領域に分類します。
この分析により、成長投資すべき事業、撤退すべき事業、維持すべき事業が明確になります。
この本では「企業がどういうアクションをすべきか」という視点に基づいてマッピングがされているのが印象に残りました。

他にも事業を成功させるためのKSF(Key Success Factor)の設定、そこに合わせるための戦略の説明が複数の企業および事業を例に挙げられていました。
例えばタービンを作る会社では、同じタービンという製品でも市場、顧客の状況で以下のようにKSFを使い分けなければなりません。
発電用タービンは効率と信頼性がKSF(停電があってはならない)
工業用タービンは耐久性と導入コストがKSF(ランニングコストを含めたコスト最優先)
4. AI全盛時代でも「1を聞かれたら10以上の答えを返せる」存在に
「今はAIが分析も予測もやってくれるのだから、戦略的思考は不要では?」
そう考える人もいるでしょう。
AIが出すのはあくまで実行までの「材料」。それ以前の「課題抽出」は今のAIではできないし、材料から何を選び、どう組み合わせ、どう実行するかは人間の役割です。
顧客の状況・経営資源を調査し、課題を抽出し、解決につながるまでの実行プランを策定する。その骨組みを徹底的に考え、PPMなどのフレームワークに落とし込んで、顧客に行動を促す。
さらには顧客ですら気づかない問題点をも詳細に把握し、1を聞いて10以上の答えを返せる。
こういった戦略思考を持った真のコンサルタントはAIをも「使いこなす」ことができ、更なる価値提供を実現できる存在なのではないでしょうか?
5. 最後に
私は20代の頃この本を読んでいましたが、内容がかなり濃い上にハイレベルでした。そこで、副読本や解説書を併用すると理解がより深まります。
改めて40代後半になって、以下のように徹底した戦略的思考の強みを再認識しました。
戦略フレームワークだけでなく、「考える姿勢」が身につく。
視座が高く、経営者の目線で物事を捉えることができる。
自社や自分のキャリアを俯瞰して判断できるようになる。
半世紀前の戦略書であっても、その思考の本質は今なお色褪せません。
むしろ、AIやデータツールが普及する現代だからこそ、「本質を見極める力」が価値を持ちます。
本書の最後に4つの思想が書かれており、最後の「(4)最後に戦略に魂を吹き込むのは人であり、マネジメントのスタイル」
これこそ戦略をもった人とその組織の在り方だと信じています。
ぜひともみなさんが本書を手に取って「戦略的思考」を学び、AIをも使いこなす価値ある人材になることを願っています。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。
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