「業務改善活動」で疲弊する管理職 |「自分事化」でチームが勝手に動き出すテーマ設定術
はじめに
こんにちは。HASです。
あなたの会社でも、1~3年の「業務改善活動」はありませんか?
最近はAIやDXの普及が増えてきているので、
「ツールの使用率を増やす」「ペーパーレスにする」等がテーマとなり、
業務改善活動を進めていると察します。
「全社的な品質向上のために、改善テーマを設定し改善活動を推進せよ」
もちろん、活動が本来は人材育成や利益につながることは、
頭では理解しています。
しかし、現場の現実はどうでしょうか。
目の前の納期、トラブル対応、欠員補充。
ただでさえ通常業務でパンク寸前なのに、
さらに「改善活動」というタスクが降ってくる。
疲弊しきった部下たちに、
「未来のために頑張ろう!」なんて、
とても言えません。

業務改善運動のテーマを決めなければいけません。
結果、どうなるか。
「見づらいマニュアルのフォントを統一しました」
「共有フォルダの整理ルールを策定しました」
……いわゆる、「やったふり改善」です。
既存業務の延長線上で、少しだけ体裁を整えて「改善」と言い張る。
誰も傷つかないけれど、何も変わらない。
そんな空虚な報告書を作るたびに、
「俺たち、何やってるんだろう……」
という焦燥感だけが募っていく。
今回はその「業務改善活動テーマ」の実態と、
本来あるべき「業務改善活動」について説明します。

1.形骸化した活動の正体
全社的に行う改善活動は、
QCサークル(小集団活動)という活動に近い内容になっています。
製造現場などの第一線で働く従業員が、品質管理(Quality Control)や業務改善のために少人数のグループで自主的に活動する取り組みです。
しかし、人的リソース不足の中間管理職チームでは、
この「自主性」が「義務」に置き換わっています。

この三重苦の中で、真面目なリーダーほど苦しみます。
「本来やるべき抜本的な改善」があることは分かっている。
でも、それに手をつければ泥沼にはまる。
だから、あえて「すぐに終わる、どうでもいいテーマ」
を選んでしまうのです。
2.そのテーマは「第◯象限」にありますか?
ここで、1つの過去記事を紹介します。
この記事で紹介しているのは、
タスクを「緊急度」と「重要度」で分ける「時間管理マトリクス」です。

私たち管理職の日常は、
「第1象限(緊急かつ重要)」「第3象限(緊急だが重要でない)」これらの内容で埋め尽くされています。
では、上から強制された改善活動はどこに入るか?
義務感でやろうとすると、緊急だけど重要ではない
「第3象限」になってしまうのではないでしょうか?
しかし本来は、未来を変える長期的なポイントである
「第2象限(緊急ではないが、重要)」に力を入れるべきです。
3. 背中で見せる「自分事化」がチームの熱量を変える
「第2象限」とは、 「今はやらなくても困らないが、やれば将来的に劇的な効果を生むこと」です。
例えば、
根本的な業務プロセスの刷新
新しいツールの導入と習得
リスク管理の仕組み化
これらは、着手するのにエネルギーがいります。
今の忙しさの中では無謀に見え、
誰もやりたがらないかもしれません。
しかし、これが「自分事化(=自分の苦しみを解決すること)」した瞬間、メンバーの目の色は変わります。
4.私のドイツ赴任中に、実際にあった話
当時ドイツ赴任のミッションは「ドイツ製品の開発移管」でしたが、
チームはそれ以前の問題で躓いていました。
現地の文化、住宅契約、SIMカードの手配、子供の学校手続き……。
生活のセットアップに忙殺され、
本来の業務に全く集中できていなかったのです。
会社のマニュアルは制度の説明ばかりで、
現場のリアルな悩み(「どのスーパーが良い?」
「契約書のこのドイツ語は何?」)には答えてくれません。
そこで私は、「自分たちがこれ以上困らないため」に、
現地での経験知を写真付きで言語化し、
OneNote(デジタルノート)にまとめ始めました。
最初は私ひとりで「型」を作っていたのですが、
それを見たメンバーが反応しました。
「これ、すごく助かります! 私、学校の申し込み手順なら分かりますよ」 「じゃあ僕は、車のリース契約の注意点を書き足しますね」
「誰かのため」ではなく「自分と仲間のため」のマニュアル作り。
土台を用意し、あとの書き込みを任せたことで、
メンバーは「自分たちで作ったルール」として愛着を持ち、
OneNoteはまたたく間に充実していきました。
結果、後続の赴任者は迷わず生活をセットアップでき、
最短で開発業務という「本来の目的」に集中できる環境が整いました。
これこそ立派な「業務改善活動」です。
彼らを動かしたのは、義務感ではありません。
「情報がない不安、情報集めの苦労から解放される未来」への希望です。

それが業務改善につながる!
「やったふり改善」は現状維持のコストですが、
「第2象限」は未来への投資です。
「これを乗り越えれば、自分たちの仕事が楽になる」
「明日の自分が助かる」
この自分たちへのメリットが見えたとき、
人は忙しさの中でも時間を捻出し、主体的に動き始めます。
こうして生まれた余力は、さらなる改善へと投資されました。
私のチームは、トラブルに追われる集団から、
未来のために「先手を打つ集団」へと進化していったのです。
5.リーダーの仕事は「未来の時間を確保すること」
私たちは、忙しさを理由に思考停止してはいけません。
今の忙しさは、
過去の私たちが「第2象限」を後回しにしてきたツケだからです。
リーダーであるあなたの役割は、
義務的に上から降ってきた
業務改善テーマのネタを考えることではありません。
「今、この苦しい時間を投資して、未来のチームを楽にする決断」
をすることです。

「またやったふりか……」と部下に諦めさせるか。
「これをやれば変われる!」と部下の目に光を灯すか。
その違いは、選ぶテーマと自分たちへのメリット(自分事化)、
ただそれだけで決まります。
もし今期、テーマ設定に迷っているなら、チームに聞いてみてください。 「本当にやりたくない、無駄だと思っている業務は何?」と。
その答えの中にこそ、義務の有無にかかわらず
取り組むべきテーマのヒントが隠されています。
是非あなたの「取り組むべき業務改善テーマ」をコメントで教えてください!

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