終末ノ残火
第一章 滅びの地にて
あの日、世界は音を立てて崩れた。
空は裂け、大地は燃え、人々は次々と姿を消していった。
そして今、この地に残されたのはただ一人。
少女──アリア。翠色の髪が、煤と灰にまみれた風に揺れる。
彼女は静かに、崩壊した都市の片隅に立っていた。
誰もいない。誰も助けは来ない。
けれど、胸の奥だけはまだ熱かった。
(……私は、生きている)
終末に取り残されたその心だけが、彼女を動かしていた。
第二章 失われた記憶
かつてアリアには大切な人がいた。
家族、友、誰よりも強く、優しかったその人は、
世界の終わりと共に消えた。
──「いつか必ず、この世界に光を取り戻して」
それが最後の言葉だった。
叶うはずのない約束。
果たされることのない夢。
でも、アリアは歩き出す。
焦土と瓦礫の世界を、たった一人で。
第三章 抗いの火
崩壊した都市の中、彼女はかすかな輝きを見つける。
それは、かつてこの世界に満ちていた「心の灯火」。
それに触れた瞬間──
胸の奥で、何かが燃え上がった。
(私は……まだ、諦めない)
悲しみも、怒りも、絶望も。
すべてを燃料にして、少女の魂は赤く燃える。
誰もいない世界で。
誰も見ていない場所で。
たった一人の抗いが始まった。
第四章 最後の空へ
何度倒れても、何度傷ついても。
アリアは立ち上がる。
そして迎えた夜明け。
焼け焦げた大地に、初めて光が差し込む。
両手を天へと掲げる。
胸の奥の灯火が、鮮やかな炎となって燃え上がる。
──この世界に、最後の光を。
それが、彼女がこの世界に刻んだ最後の願いだった。
エピローグ 残火は消えず
世界はまだ滅んだままだ。
でも、誰かが歩き出せば
誰かが願いを継げば
その火は決して消えない。
アリアが残した"残火"は
いつか誰かの心に宿り
また新たな未来を照らす。
それが彼女の物語。
終末ノ残火──最後ノ灯火。
