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「氷室」七月号(2026年)より

尾池和夫主宰「瓢鮎抄」より六句

多良岳の高さを夏の霧の中

菩提樹の花や千年後の子孫

延暦寺より古き寺夏木立

干拓の里なる駅や梅雨の明

黒雲の近づいてくる川床料理

七月や悪石島にまた地震

掲載された僕の句です。

氷壺集
父の髭剃りこつそり使ふ夏休
子雀の逃げぬ距離まであと一歩
ひとむらの庭のムスカリ異国めき
星の数に岩波文庫昭和の日

氷室集
全集を十字結びに修司の忌
存外に増えてゐたるよ諸葛菜
熊ん蜂一匹に路地明渡し
「はじめに」を読んで返却四月馬鹿

「子雀の逃げぬ距離まであと一歩」には尾池主宰の講評をいただいています。

 警戒心が薄いとはいえ、子雀に近づく緊張感とときめきに、「あと一歩」の距離感が絶妙です。小さな命への微笑ましい心理戦です。蟬や蜻蛉を捕まえる時も同じ「あと一歩」のもどかしさを思い出します。





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