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Claude Codeで"やる価値があること"と"やらなくていいこと"──PMの12タスクを3層に仕分け

5分後、明日からの Claude Code 起動回数が「週1」から「週5」に変わる仕分け表が手に入ります。

「全部Claude Codeでやれる」と思って、結局あんまり開かなかった。

そう感じていた方へ。前回(記事011)で、開かない理由は「立ち上げ儀式が長い/正当性ギャップ/タスク不在」の3つに整理しました。今回はその続きです。

結論からお伝えすると、PM の12タスクのうち「Claude Code向きは8本、ブラウザ寄り(Cowork向き)は3本、ChatGPTで十分は1本」と、想像以上に Claude Code が活きる場面が多いです。 「使う場面がない」のではなく「使う場面に気づけていない」だけでした。

Claude Code とは、Anthropic 社が提供するターミナル(CLI)で動くエージェント型 AI コーディングツールです。 コードベースだけでなく、ローカルの Markdown ファイル、議事録、PRD、長文インタビュー文字起こしなど**「ファイルとして手元にあるもの全般」を横断的に処理できます**(2026年4月時点)。

この記事では、BtoB SaaS の PM が日常的に行う 12タスクを「Claude Code向き/ブラウザ寄り/ChatGPTで十分」の3層に振り分けます。読み終わるころには、明日の朝に最初に流す1コマンドが見えているはずです。


1. 「全部Claude Code」は、続かない

前回の摩擦3つを、もう一度短くおさらいします。

| # | 摩擦 | 本質 |
|---|---|---|
| 1 | 立ち上げ儀式が長い | iTerm 起動 → cd → claude の4工程が、思考のスピードに合わない |
| 2 | 正当性ギャップ | 「PM がCLI を使う説明」が自分の中にない |
| 3 | タスク不在で開かない | 思いつき先行のワークスタイルとミスマッチ |

これらを「気合で開く」で解こうとすると、来週もまた開きません。

解決の前提は、起動コストに見合うタスクだけをCLIに渡すことです。 思いつきレベルの問いまで Claude Code に持ち込もうとすると、毎回4工程の儀式に消耗します。逆に「ファイル多数を横断する」「長時間処理を任せる」「ローカル文書を構造化する」ような、起動コストを払う価値があるタスクだけ流せばいい。

そのために、まず自分の業務を3層に分けるところから始めます。


2. 仕分けの3層モデルとは

3層モデルは、「どのAIに何を任せるか」を起動コストと処理特性で分けるフレームです。

2-1. Claude Code 向きの特徴

  • ファイル多数を見渡す/横断編集する

  • ローカルにある Markdown / PDF / コード / ログを処理する

  • 長時間(数分以上)の処理を回す

  • 出力をファイルとして保存したい

具体: PRD のテンプレ整理、過去議事録の構造化、競合資料のローカル比較表化、PRレビューの diff コメント案。

2-2. ブラウザ寄り(Cowork など)の特徴

  • ブラウザの記事や動画を要約する

  • メールやチャットの下書きを書く

  • 画面共有しながら相談する

  • クリップボードを介して何度もコピペするような作業

具体: Slack 議論の要約、競合サイトのライブ閲覧と比較、顧客インタビュー音声のリアルタイム逐語化、社内 Wiki に投げるドラフト作成。

2-3. ChatGPT で十分な領域

  • 思いつきの単発質問

  • 辞書代わり

  • 1往復で終わる文章リライト

  • 単発の翻訳

具体: 「VLOOKUP の使い方」「この英文の言い回し」「OKR 文言を磨く」のような5分で終わる問い

3層を分ける目的は、「全部やろう」をやめて、起動コストに合った働かせ方を選ぶことです。


3. PMの12タスクを実際に振り分けてみる

私が BtoB SaaS の PM として日常的に行うタスクを12個並べ、それぞれを3層に振り分けます。あなたの業務にも同じ振り分けが効くはずです。

3-1. 議事録整理(Slack 50発言→決定事項3行) → Claude Code 向き

長いSlackスレッドをローカルの `.txt` に貼って、Claude Code に「決定事項/アクション/未解決」の3層整理を頼みます。50発言を3行にまで圧縮できます。ファイル化する価値が高いので、CLI 一択。

3-2. 要件定義ドラフト(PRD 1枚) → Claude Code 向き

PRD のテンプレ MD を Claude Code に渡し、「機能要件・非機能要件・スコープ外・想定リスク」を埋めさせます。自社のテンプレと過去PRD群を横断参照できるのが Claude Code の強み。

3-3. 競合調査(5社×3軸の比較表) → ブラウザ寄り(Cowork向き)

5社それぞれの公式ページをブラウザで開きながら比較するので、ブラウザ操作と一体化した Cowork が最適。Claude Code でも公式ページのHTML取得は可能ですが、UIの変化やインタラクティブ要素を確認する場面は Cowork が強い。

3-4. OKR文言の磨き込み → ChatGPT で十分

「この OKR の達成可能性をもう少し定量的に書き直して」のような1往復で終わる作業は、ChatGPT で十分です。Claude Code を立ち上げる価値はありません。

3-5. 顧客インタビュー逐語化 → Claude Code 向き

音声ファイル(または書き起こし MD)をローカルに置いて、「セグメント別に整理→キーフレーズ抽出→重要度ランク付け」を一気通貫で実行。処理時間が数分かかっても、ファイル出力で完結するので CLI が最強。

3-6. ロードマップ Markdown化 → Claude Code 向き

四半期ごとのロードマップを `roadmap-2026-q2.md` のようにローカル管理します。Claude Code に「Q1 → Q2 の差分を出して」「未着手項目だけリストアップ」と頼めば、ファイル管理が一気に楽になります。

3-7. Slack議論要約 → ブラウザ寄り

リアルタイムにブラウザで Slack を開きつつ、Cowork に「直近1時間の議論を3行に」と頼む。ブラウザ上で議論が進行している最中に使うので Cowork。

3-8. リサーチ一次取得(公式ドキュメント取得) → ブラウザ寄り

「最新のXX公式ドキュメントを取得して、変更点を抽出」は、ブラウザナビゲーション込みで Cowork が向いています。Claude Code 単体だと URL 直叩きになり、ナビゲーションを伴う深掘り検索は弱い。

3-9. 図解作成(mermaid / ASCII) → Claude Code 向き

`flow.md` のようなファイルに mermaid 記法で図を起こすのは、Claude Code 一択。コード化できる図は CLI で書くのが最も効率的。

3-10. PRレビュー(diff コメント案) → Claude Code 向き

Git リポジトリ内で `claude` を起動して `git diff` の内容にコメント案を出させる。git 連携と複数ファイル横断は Claude Code が最も強い領域。

3-11. 社内FAQ整備 → Claude Code 向き

Notion からエクスポートした MD を `faq/` フォルダに置いて、Claude Code に「重複削除」「カテゴリ分類」「不足カテゴリの提案」を頼む。複数ファイル横断の整理は Code 一択。

3-12. エラー調査(自社プロダクトのバグ確認) → Claude Code 向き

ログファイルをローカルに保存して、Claude Code に「エラーパターン分類」「再現条件抽出」を頼む。ファイル投入と長時間処理で Code が活きる典型例。


4. 集計: 12タスク中、CLI向き8/ブラウザ寄り3/ChatGPTで十分1

仕分けた結果を表にまとめます。

| # | タスク | 最適ツール |
|---|---|---|
| 3-1 | 議事録整理 | Claude Code |
| 3-2 | 要件定義ドラフト(PRD) | Claude Code |
| 3-3 | 競合調査(5社×3軸) | Cowork |
| 3-4 | OKR文言の磨き込み | ChatGPT |
| 3-5 | 顧客インタビュー逐語化 | Claude Code |
| 3-6 | ロードマップ Markdown化 | Claude Code |
| 3-7 | Slack議論要約 | Cowork |
| 3-8 | リサーチ一次取得 | Cowork |
| 3-9 | 図解作成(mermaid) | Claude Code |
| 3-10 | PRレビュー(diff) | Claude Code |
| 3-11 | 社内FAQ整備 | Claude Code |
| 3-12 | エラー調査 | Claude Code |

集計: Claude Code 向き 8タスク/Cowork 向き 3タスク/ChatGPT で十分 1タスク

つまり、PM の業務の 3分の2は Claude Code に渡せる。「使う場面がない」は、構造的な誤解だったのです。

起動回数の目安: 週3〜5回(タスクをまとめて流す運用)。週1から大幅に増やせます。


5. 明日の朝、最初に流す1コマンド

仕分けが見えたら、明日の朝に最初に流す1コマンドを決めておきましょう。「とりあえず開く」では続かないので、最初の起動が「目的」ではなく「手段」になるコマンドを1つだけ決めます。

おすすめは、**「Slackの未読を要約させる」**です。

# 朝の最初の1コマンド例
cd ~/work/notes
claude "今朝のSlack未読をまとめて、決定事項とアクションだけ抽出して"

この朝の1コマンドが定着すると、起動が「目的」から「手段」に変わります。「Claude Code を開かなきゃ」ではなく「Slack 整理しなきゃ → Claude Code 起動」になる。起動の心理摩擦が、目的の前に来なくなるのです。


6. ブラウザ寄り3タスクはどうする?

「Cowork は使ってないです」という方も多いはず。実は、Cowork 不在の状態だと、ブラウザ寄り3タスクは ChatGPT に流れがちで、結果として **「やっぱり ChatGPT が万能」**という錯覚を生みます。

ですが、ChatGPT はブラウザ操作と一体化していないため、コピペの往復回数が多くなり、結局時間を食います。

次回(記事013、5/2公開予定)で、Claude Cowork を Code の相棒として導入し、ブラウザ寄り3タスクを Cowork に振り分ける手順を解説します。これで、Code(CLI)と Cowork(GUI)の役割分担が完成します。


7. よくある質問

Q1. PM じゃなくて、別の職種でも12タスク仕分けは使えますか?

はい、職種関係なく使えるフレームです。 タスクの中身は職種で違いますが、「ファイル多数横断」「ブラウザ操作伴う」「1往復で終わる」の3軸で振り分ければ、誰の業務でも適用できます。エンジニア/マーケター/カスタマーサクセス/法務など、自分の主要12タスクを書き出してみてください。

Q2. 12 タスクのうち、最初にやるべきはどれですか?

「議事録整理(3-1)」または「Slack議論要約(3-7)」を推奨します。 どちらも頻度が高く、効果を即体感できるため、Claude Code への信頼が一気に高まります。「自分でも使えるんだ」という体験が、起動の心理摩擦を一気に下げます。

Q3. Claude Code が「全部できる」は嘘だったということですか?

「できる」のと「向いている」は別、というのが正確です。 Claude Code は技術的には全タスクをこなせますが、起動コストに見合わない作業も含まれているのが現実です。3層仕分けは「Claude Code を活かす場面を選ぶ」発想であり、Claude Code の能力を否定するものではありません。

Q4. ChatGPT を契約していなくても、この仕分けは成立しますか?

はい、成立します。 ChatGPT 向けの1タスク(OKR文言の磨き込み)は、Claude.ai のWebチャットでも代替可能です。または Claude Code でやっても問題ありません(起動コストを払う価値はやや低いですが、ChatGPT を持っていなければそれで十分)。重要なのは「ブラウザ寄り3タスク」をどう処理するかです。

Q5. 仕分けが固定すぎて、状況に応じて変わるのでは?

はい、状況によって変わります。 本記事の仕分けは「2026年4月時点の私の運用」であり、Cowork のアップデートや、Claude Code の新機能でブラウザ寄り3タスクが Code に取り込まれる可能性は十分あります。重要なのは仕分けの「具体的な答え」ではなく、「3層で考える」というフレームです。フレームさえ掴めば、ツールが進化しても自分で再仕分けできます。


8. まとめ: 3分の2は Claude Code に渡せる

ここまでの内容を、もう一度短く整理します。

  • PM の12タスクを「Claude Code向き/ブラウザ寄り/ChatGPTで十分」の3層に仕分けると、Claude Code 向きが8本(67%)

  • 「使う場面がない」のではなく「使う場面に気づけていない」だけだった

  • 明日の朝、最初の1コマンドを決めておくことで、起動の心理摩擦が下がる

  • ブラウザ寄り3タスクは、次回(記事013)で Cowork に振り分ける

3記事を読み終わるころには、Claude Code の起動回数が週1から週5に変わっているはずです。次回はブラウザ寄り3タスクを Cowork で処理する手順を扱います。


次に読むなら


本記事は2026年4月時点の運用に基づいています。Claude Code / Claude Cowork の機能は今後変更される可能性があります。最新情報は Anthropic 公式ドキュメント でご確認ください。

「自分の12タスク仕分けはどうなった?」という方は、コメント欄やThreadsで教えてください。次回の事例にしたいです。

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