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夫の中身に惚れた話

「"人間万事塞翁が馬"なんだから、いちいち落ち込んだり、気にしたりしてるもんじゃない…」
と、夫がボソッ…と独り言のようにつぶやいた。

(…塞翁が馬?)

昔の中国の人の話
"ある日、老人が自分の馬を逃がしてしまい、とても落ち込んでいたが、逃げ出した馬が良馬を連れて戻ってきた。今度はその馬に乗っていたら馬から落ちて骨折してしまった。でも、骨折したおかげで戦争に行かなくて済んだ"
という話。
要約すると、何が良くて何が悪いかなんてわからない。だから、そんなに気にしたってしょうがない。

(どっかできいたことはあったが、そういうことなんだ…)

なんで、夫はこんなこと言ったんだろうか、と考えた。

きのう、夜、私が仕事のことで、ため息をつきながらノートにむかっていたことを、わかってたんだろうか。
私が何事につけていちいち深く考えてしまい、その度に落ち込んだりすることを見てるからだろうか。

夫の、どこに惚れたのか。
うちは、15歳の歳の差がある。夫が上。
共通の知り合いの友人の引き合わせで、結婚した。
最初は、そんなでもなかった。何がそんなでもないかと言うと、見た目は全然イケてないし、話もまどろっこしいというか、(結論から先に言って!)と思ってしまう話し方をする。なんでこんな人と結婚したの、私。
私の人生を返せ。
なんて、失礼なことを思っていた。

ある日のこと、
散歩していたら、道路の脇の側溝に、鳥のヒナが落ちていた。
私は、可愛そうだと思いながら、通り過ぎようとした。
でも、夫はそのヒナを、そっとティッシュにのせて家に連れて帰った。そして、每日温めたりして、死なないように世話をしていた。
しばらくして、そのヒナはいなくなっていて。自力で飛んでいったんだと、夫は言った。

ずっと昔
車で走行中に、外国人らしき人が、公衆電話で、何やら困り顔をしていたのを見つけた。
夫が「何かお困りですか?」
ときいた。
外国人の方は「テレホンカードをなくしてしまって電話がかけられなくて困ってます」とのこと。
夫が「良かったらコレ使ってください」と、買ったばかりのテレホンカードをその人に渡した。
外国人は、申し訳けなさそうに、でも助かったという表情で受け取っていた。

返してもらえるわけでもないのに…こういうことをする人。

夫のことをどんな人か表現するなら

無口で、思慮深くて、控えめで、弱い立場の人に優しくて、威張ったり偉そうにしてる人には物申す。飄々としてる。マイペース。金銭感覚がちゃんとしてる。めったに怒らない。法律に詳しくて、何でも知ってる。
でも、見た目はホントにイケてない。(ごめん!)
見た目がイケてないのは、別にいいんだよ
だってさ、まあ縁起でもない話にはなるけど、死んだら、火葬される、おそらく。
そんとき、何が残る?
……骨しか残らない。
鼻が低いとか、髪の毛が薄いとか、顔がデカいとか、そんなのまったく関係なくなる。
残るのは、思い出とか、受け継いだものとか。
だから、そんなに外見を過剰に気にする必要はない!
(私は父の葬儀の時にこんな風に思ってしまった)

話が逸れた。

こんな感じの我が夫。
そして、なにより、気持ちが温かい。
これだ!
人間として好きなんだ、私は。
嫌なとこももちろんあるけど、中身がイケメンなんだ。ホントかっけー。
なので、疲れたときは、夫の背中にぺっとりくっついて、充電〜
夫は充電器 笑
なんだろ、ほっとする感じ。
何でも受け止めます的な。
私の絶対的な安全地帯。

まわりを見渡しても、こういう人はあまり見たことがない。
絶滅危惧種だ。

夫は、15歳年上なので、自分が死んだ後のことを考えている。私たちが路頭に迷わないように、今、株を買い集めている。それを財産として残そうとしている。
すごくたくさんというわけではないが、配当金があるので、生活の足しになればとの思いらしい。
なるべくたくさん残しておくれ…笑

人生の折り返し地点は過ぎた。
あと何年一緒にいられるだろう。
思ったほど残りの人生は長くない。
無理をせず、健康で、質素でいいから、穏やかに、これからも、そばで見守ってほしい。

これを、夫が読んだらどうなるかな…
多分、3万円くらいくれるかもしれん…笑
褒めすぎやな…
でも正直な気持ちだからしゃーないな。

のろけに付き合っていただき
ありがとうございます。

もし、旦那さんが嫌いな人は
背中にぺっとりくっついてみてはどうでしょうか…

するわけないわ!! 
気持ち悪っ!!
…という声がきこえてきそうです。



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