#0120_人事制度の問題は、人事制度以外にある
おつかれさまです。坪谷です。
社員からあがる人事制度に対する不満の声をしっかりと捉え、改善に動こうとする人事担当者の姿勢はとても素晴らしいものです。しかし、私がコンサルタントとして現場に入ると、しばしば「人事制度への不満の真の原因が、実は人事制度そのものにはない」というケースに直面します。
例えば、「評価基準が不明瞭だ」「うちの評価制度には納得できない」という声が社内であがったとしましょう。これを聞いた人事は、すぐさま評価シートの項目を見直したり、新しい等級基準を導入しようとしたりしがちです。
しかし、少し立ち止まって現場をよく観察してみてください。実は、上司と部下の日々の対話が決定的に不足していたり、職場の人間関係に問題があったり、仕事のアサインメント(割り当て)に不満があったりすることが原因であるケースが非常に多いのです。
なぜ、人間関係の不満が「制度の不満」にすり替わるのでしょうか。それは、社員にとって「あの上司とは合わない」「職場の雰囲気が悪い」という生々しい人間関係の不満は、角が立つため直接口には出しにくいからです。代わりに「会社の問題」や、客観的な「人事制度の問題」に変換して不満をぶつけているのです。
ビジネスの世界には「人を責めるな、仕組みを責めろ」という言葉がありますが、まさにその通りで、身近な生身の個人を直接攻撃するよりも、会社が作った「仕組み(制度)」のせいにする方が、心理的なハードルがずっと低いためです。
人事制度だけでは納得感は生まれません。納得感とは、個人が「感じる」ものだからです。同じ評価結果であっても、上司との信頼関係があり、理由を丁寧に説明してもらえたかどうかで納得度は大きく変わります。
だからこそ、人事制度への文句をストレートに受け取り、直結で制度改定に走るのは短絡的です。真の原因は「上司との信頼関係」や「職場のコミュニケーション」や「仕事のアサイン」といった、制度以外のところにある可能性も高いのです。表面的な不満の声に振り回されず、まずは現場の実態に目を向ける冷静な視点を持ってください。
私のお伝えしたいことは、以上です。
