🎹【番外編】社内通称「墓場」で20数年。底辺夫婦が娘のピアノを支えてきた話
こんばんは。
うるるんです。
いつも読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます。
娘のピアノライフを中心にお届けしてきた私ですが、今日は少しだけ「母」の仮面を外して、「働く女」としての話をさせてください。
🎹社内通称「墓場」という職場
私の職場は、社内で「墓場」と呼ばれています。
物騒なあだ名ですが、正式にはクレジットカードをメインとする信販会社のカスタマーセンター。
その中でも、お支払いが難しいお客様からのお電話を受けたり、滞納が続くお客様へ督促のお電話をかけたりする部署です。
「墓場」というニックネーム、なんとなくお察しいただけるでしょうか。

🎹拾ってもらった場所
なぜこの仕事に?
それは、拾っていただいたからです。
就職氷河期。
どこに履歴書を送っても、帰ってくるのは不採用通知ばかりだった時代。
そんな私を派遣社員として受け入れてくれたのが、この会社のこの部署でした。

あれから20年以上。
気づけば直雇用社員にまでしていただいて、今日に至ります。
人生、どこに縁があるか分かりません。
🔥怒鳴り声の向こう側
最初は、泣きそうになりました。正直に言います。
「払えねーんだよ!」と怒鳴られる日々。受話器を置くたびに、小さくため息をついていました。

でも、不思議と慣れるものです。
そして慣れた先に見えてきたのは、怒鳴り声の向こうにある「それぞれの事情」でした。
不景気、物価高、突然の失業、予期せぬ出費。
支払いのバランスが崩れてしまう理由は、無計画だけじゃない。
むしろ、丁寧に生きていた人が、ある日突然崩れてしまうことの方が多い。
暴言も、泣き言も、日常茶飯事です。
🩷「生き返る」瞬間
でも、長い交渉の末に前向きに向き合ってくださるようになったお客様。
そして、給料日や年金支給日の翌日にかかってくる、あの電話。
「今日、振り込んだよ。長いこと待たせてごめんね」
受話器の向こうの、その一言。
墓場で働く私が、一番生き返る瞬間です。

🩷底辺夫婦、ここに参上
数年前、インターネットで「底辺職業ランキング」なるものが話題になりました。
工場勤務、コールセンター、警備員、清掃員、介護士、保育士、ドライバー、そういった職種が、心ない言葉で並べられていた、あの炎上騒ぎです。
見た瞬間、思いました。
「あ、うちの夫婦、ダブルでランクインしてる」
我が家のスペックを申し上げます。
夫:夜勤付き自動車製造工。
私:早番遅番・土日出勤ありのコールセンター勤務。
バリバリの底辺夫婦、ここに参上です。

🩷底辺という誇り
でも、ちょっと待ってほしい。
底辺と呼ばれる仕事、全部、社会に必要じゃないですか?
夜中に車を作ってくれる人がいるから、朝、道路に車が走っている。
支払いに困った人の電話を受ける人がいるから、誰かの生活が少しだけ立て直される。
そしてもう一つ。
これ、全部AIに取られない仕事です。
怒鳴られながら話を聴くこと。
夜中に汗をかきながら部品を組み立てること。
機械には、まだ出来ない。多分、しばらくは出来ない。



🎹この仕事で、娘を育てた
この「底辺業務」で、娘を育てました。
この「底辺業務」で、娘が大好きなピアノを続けさせてあげられました。
レッスン代、スタジオ代、コンクールの遠征費、発表会のドレス。
諭吉が旅立つたびに「底辺、ありがとう」と心の中で手を合わせていました。
🎹底辺万歳
底辺万歳。
底辺だけど、幸せです。
底辺だけど、娘が「ショパン様と握手できた気がする」と笑う顔を見られました。
底辺だけど、家族3人で食べるご飯が、世界一美味しいです。
明日も墓場へ出勤します。
娘の未来のために、底辺から社会を支えてきます。

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