ANAインターコンチネンタル石垣 ベイウイング宿泊レビュー
ANAインターコンチネンタル石垣リゾート
石垣島で宿泊したのはANAインターコンチネンタル石垣リゾート。
南ぬ島・新石垣空港でレンタカーを借り、島の北端の灯台から島を半周して国道390号線を市街地方面へ。信号も少なく、道幅も広い。冬でも濃い緑をたたえる亜熱帯の植生と、ときおり視界に入る海の青が、島に来たことを実感させる。

ホテルの広いエントランスへ車を乗り入れ、そのまま駐車スペースへ。石垣島ではレンタカー移動が基本だが、このリゾートは敷地が広く、駐車場も十分に確保されているため動線はスムーズだ。

私は当初、オーシャンウイングの予約だと思い込んでいた。ところがフロントで確認すると、実際はベイウイングのベイルーム。スタッフに案内され、新棟へと向かうことになる。
本リゾートは4棟構成である。
オーシャンウイング(本館・1993年開業)
コーラルウイング
ベイウイング(2020年開業)
クラブインターコンチネンタル
ビーチやプール、遊戯施設に売店も完備された敷地内はひとつの小さな街のようでもある。
チェックインはカウンター越しではなく、ロビーラウンジで着席して行うスタイル。スタッフが席まで来てくれ、リゾートらしい余裕を感じさせる。

ベイウイングのベイルームは43平米のツイン。可動式の間仕切りを全開にすると、スペースが一体化し、想像以上に開放的だ。大きな窓の向こうには海。全室オーシャンビューという設計の恩恵を存分に感じられる。




目の前に広がるのは、ホテルのプライベートビーチでもあるマエサトビーチ。遠浅で波は穏やか。東向きの海は朝日が美しいことで知られる。
2月の石垣島は気温20度前後。エアコンを入れる必要はない。窓を少し開けるだけで、海風が柔らかく部屋を通り抜ける。
レンタカーで来たからこそ、翌日の移動の自由も確保されている。だがこの部屋にいると、どこへも出かけず、ただ海を眺めて過ごす選択肢も十分に魅力的に思えてくる。
バルコニーに出て深呼吸する。
旅は移動の連続だが、ここでは立ち止まることに意味がある。

朝食会場:SALTIDA(ベイウイング)
ベイウイングのベイルームに落ち着いた翌朝、楽しみにしていたのが朝食会場「SALTIDA(サルティーダ)」である。
今回のプランは朝食付き。ベイルーム宿泊者は、このSALTIDAを利用できる。以前は追加料金を支払えばオーシャンウイングやコーラルウイング宿泊者も利用できた時期があったと聞くが、現在は完全に別カテゴリー扱い。クラブラウンジの利用権利を持っていても、SALTIDAは対象外という位置づけになっている。
その分、内容は圧巻だ。
沖縄・八重山の食材を活かした料理、和洋中を織り交ぜたラインナップ、ライブキッチンで仕上げられる卵料理や麺類。品数は相当多く、一日や二日では到底食べきれない。むしろ「今日は何を諦めるか」を考える朝になる。


島豆腐、八重山そば、地元野菜のサラダ、フレッシュジュース。
洋食派でも和食派でも満足できる構成だ。
正直なところ、SALTIDAを目当てにベイルームを予約する価値は十分にあると感じた。それほど完成度が高い。
さらに便利なのが、ホテル公式サイト内で朝食会場の混雑状況や待ち人数をリアルタイムで確認できる点だ。リゾートでは朝食待ちがストレスになることもあるが、部屋にいながら状況を把握できるのは合理的。混雑を避けて時間をずらす判断ができるのはありがたい。

一方で、クラブインターコンチネンタルの魅力も別軸で存在する。
クラブラウンジ利用権利があれば、アフタヌーンティータイムや夕方のカクテルタイムに、落ち着いた空間でお茶やアルコール、軽食を楽しめる。


SALTIDAがダイナミックな朝食体験だとすれば、クラブラウンジは静かな余白の時間だ。
なお、IHGの上位ステータスを保有していても、SALTIDA利用が自動的に付与されるわけではない模様。あくまで宿泊カテゴリーに紐づくサービスである点は押さえておきたい。
休日や連休は混雑するが、席間隔は比較的ゆったりしており、せかされる空気はない。
皿を取りに立つ人の流れを横目に、窓の向こうの海を眺める。
島の光と食材を、一度に味わえる場所である。
ANAインターコンチネンタル石垣リゾート滞在中の夕食記
1日目:徒歩圏内の一杯
初日はホテルから徒歩圏内にある「石垣島麺処」へ。
マエサトビーチ周辺は飲食店が点在しており、ホテル内レストランを利用しない場合の現実的な選択肢になる。

この店は醤油ベースの石垣島ラーメン、塩ラーメン、そして八重山そばを提供している。観光地価格というよりは地元利用も意識した価格帯だ。

今回選んだのは八重山そばのソーキそば。
豚の軟骨ソーキが柔らかく煮込まれ、あっさりとした出汁に島の麺が絡む。沖縄本島のそばと比べると、八重山そばは麺がやや細めで丸みがあり、かまぼこが細切りなのも特徴だ。

市街地から少し離れているエリアゆえ、静かに食事を済ませたい夜にはちょうどよい。
レンタカーを使わず、徒歩で完結できるのは滞在者にとって大きな利点である。
2日目:市街地へ、肉を求めて
二日目はレンタカーで石垣市街へ。
目指したのは沖縄でチェーン展開する老舗ステーキハウス、
ステーキハウス88 石垣店。
沖縄は“締めのステーキ”文化がある土地。飲んだ後にステーキを食べるという独特の習慣もある。その代表格がステーキハウス88だ。

平均予算は3,000〜4,000円ほど。観光地の価格帯としては標準的だろう。
今回選んだのは「88特選赤肉ステーキ」300g。
赤身中心で脂は控えめ。鉄板の上でジュウジュウと音を立てながら供される。塩・胡椒・オリジナルソースで味を変えつつ、肉そのものを楽しむスタイルだ。300gという数字に一瞬たじろぐが、赤身なので意外と重くない。

市街地に出る場合はレンタカーかタクシー利用になる。
食後は石垣の中心地、730交差点(ななさんまるこうさてん)周辺を少し歩くのも悪くない。ユーグレナモールや土産店が並び、夜でも観光客の姿がある。
リゾートホテルに滞在しながらも、夕食は外へ出る。
徒歩で島の麺をすすり、翌日は市街地で肉を頬張る。
ホテル内で完結する滞在も魅力的だが、レンタカーがあることで選択肢は一気に広がる。
石垣島は小さいようでいて、食の表情は意外と多彩だ。
海だけでなく“味”でも島を感じる夜となった。
ANAインターコンチネンタル石垣リゾート滞在中の“食”という自由
石垣島に降り立つと、つい「島のものを食べなければ」と思いがちだ。だが、旅にそんな義務はない。
市街地には本土と変わらぬ風景も広がっている。
たとえば
CoCo壱番屋 石垣島店
マクドナルド 石垣島店

全国どこでも見かける店が、石垣でも普通に営業している。価格帯も内地と大きく変わらない。レンタカーで移動していれば、立ち寄るのは難しくない。今回は実際にCoCo壱番屋にも立ち寄った。10食限定のご当地カレーなど、島仕様のメニューも用意されており、“全国チェーンでありながら土地色もある”という面白さがあった。滞在であればなおさら、こうしたいつもの味は安心材料になる。
だが一方で、沖縄らしいローカルファストフードも健在だ。
代表格が
A&W 石垣店。
沖縄ではエンダーの愛称で親しまれるハンバーガーチェーンで、本土には店舗がない。ルートビアやカーリーフライ、アメリカンサイズのバーガーが並ぶ。観光客にとってはむしろこちらがご当地体験と言えるかもしれない。

もちろん、外に出ず、ホテルのレストランで静かに夜を過ごすという選択もまた、リゾート滞在の正解のひとつだ。
島そばを食べる日があってもいい。
ステーキハウスで肉を頬張る夜があってもいい。
カレーやハンバーガーで済ませる日があってもいい。
観光地に来たからといって、必ずその土地の料理を選ばなければならないルールはない。その日の気分と体調、そして予算で決めればいい。
海を眺めたあとにマクドナルド。
観光を終えてA&Wでルートビア。
静かな夜にCoCo壱番屋。
非日常の景色の中で日常の味を食べる――その対比もまた、旅の味わいだ。
石垣島は“特別”でありながら、“普通”も共存している。
選択肢が多いことこそ、滞在の自由度を高める。
南の島で過ごす時間は、必ずしも特別な料理だけで彩られる必要はない。
自由に選ぶこと、それ自体が旅の醍醐味なのだから。

