「岡崎から百貨店が消えた日」――生まれ育った街の変化から考える、時代と地域の歩み
先日、「岡崎市から百貨店がすべて姿を消した」という記事を読みました。
現在、私は幸田町で司法書士として仕事をしていますが、岡崎市は私の出身地です。
そして、記事で紹介されている康生地区は、小中学校時代を過ごした学区でもあります。
幼い頃は、家族と一緒に康生へ買い物に行くことが楽しみでした。
松坂屋、シビコ、セルビ、岡ビル百貨店…。
当時の康生は、「岡崎で一番賑やかな場所」でした。
百貨店へ行くこと自体が少し特別で、屋上やレストラン、催事場にはたくさんの思い出があります。
だからこそ、この記事は単なる地域経済の話ではなく、自分自身の思い出をたどるような気持ちで読むことになりました。
西三河一の商業都市だった岡崎
今では想像しにくいかもしれませんが、1970年代から80年代にかけての岡崎は、西三河を代表する商業都市でした。
康生地区には、
松坂屋岡崎店
シビコ
セルビ
岡崎メルサ
岡ビル百貨店
ユニー東岡崎店
など、多くの大型商業施設が集まり、人であふれていました。
さらに全国初となる都市再開発事業も行われ、「地方都市のモデルケース」とまで評価されていました。
当時の岡崎は、まさに時代の最先端を歩んでいたのです。
それでも百貨店は残らなかった
しかし、その後約40年。
松坂屋も、西武も、セルビも、メルサも姿を消しました。
最後まで残っていた百貨店も閉店し、岡崎から百貨店という存在そのものがなくなりました。
記事では、その理由として郊外型ショッピングセンターの発展や、モータリゼーションによる人の流れの変化が挙げられています。
もちろん、それは大きな要因だったでしょう。
でも、私が特に印象に残ったのは別の点でした。
「岡崎の人はスーパーが好き」
記事の中で紹介されていた岡崎市民の言葉です。
「岡崎の人は、百貨店よりスーパーが好き。」
この一言には、思わず頷いてしまいました。
私自身の記憶を振り返っても、普段の買い物はスーパー。
百貨店は特別な日や贈り物を選ぶ場所。
そんな位置づけだったように思います。
実際、記事では当時の調査結果も紹介されていました。
岡崎市民の多くは、衣料品や靴などを百貨店ではなく専門店や地域のお店で購入していました。
つまり、「西三河最大級の商業都市」というイメージと、市民の実際の買い物行動には少しギャップがあったということです。
街の規模と、消費者の価値観は必ずしも一致しない。
そんな現実が数字からも見えてきます。
時代は、少しずつ変わっていく
2000年にイオンモール岡崎が開業すると、人の流れはさらに郊外へ移りました。
私自身もそうですが、「買い物ならイオンへ」という生活スタイルは、多くの西三河の方にとって自然なものになっていったのではないでしょうか。
何でもそろう。
駐車場が広い。
家族みんなで楽しめる。
消費者は、その時代に合った便利さを選びます。
それは決して誰かが悪いわけではありません。
暮らし方が変われば、街も変わります。
便利さの価値も変わります。
時代が変わるとは、そういうことなのだと思います。
司法書士として感じること
この記事を読みながら、私は司法書士の仕事にも通じるものを感じました。
法律や制度も、社会の変化とともに少しずつ変わっています。
相続の制度。
成年後見制度。
家族信託。
遺言書の活用。
昔は必要とされなかった制度が、今では当たり前になりつつあります。
逆に、以前は最善だった方法が、今では必ずしも最適ではないこともあります。
だからこそ専門家には、「昔からこうだから」ではなく、「今、このご家族には何が合っているのか」を考える姿勢が求められます。
時代の変化を受け止めながら、一人ひとりに合った選択肢をご提案する。
それが私たちの役割なのだと改めて感じました。
地域の歴史を知ることは、未来を考えること
私は岡崎で生まれ育ち、現在は隣町の幸田町で仕事をしています。
岡崎市をはじめ、西三河地域のお客様とのご縁もたくさんいただいています。
だからこそ、この地域が歩んできた歴史には強い関心があります。
街は変わります。
建物も変わります。
人の流れも変わります。
でも、その時代ごとに地域を良くしたいと願った人たちの想いは、決して消えることはありません。
今回の記事は、そんな地域の歴史を改めて振り返る機会になりました。
次回の後編では、「なぜ岡崎は全国初の再開発に踏み切ったのか」、そして「街を守ろうとした人たちの想い」について書かれています。
私自身、とても考えさせられる内容でしたので、そちらについても改めて感じたことを書いてみたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんは、昔よく訪れた思い出の商店街や百貨店はありますか?
街の変化とともに感じたことがあれば、ぜひコメントで教えていただけるとうれしいです。
