見出し画像

中国女性は気が強い?――8年の駐在で8人女性社員を泣かせた日本人上司の話

中国で8年間働いてました」と言うと、たいていの人は「おお」と目を見張る。

でもその後に、「実はその間に8人の女性社員を泣かせてしまったんです」と続けると、反応は一気に変わる。空気がピンと張り詰める。

——もちろん、怒鳴ったわけでも、恫喝したわけでもない。

むしろ、静かに、冷静に、仕事上の話をしていただけ。なのに、なぜか涙がこぼれる。1人、また1人。

「パワハラと言われたらどうしよう」と思いつつ、気がつけば駐在員の間で“泣かせ屋”というあだ名までついていた。でも、本当に泣きたかったのはこっちの方だった。

今回は、そんな不本意ながらも忘れがたいエピソードを、いくつか紹介してみたい。

1人目:経理のZさん——「手当が心の支えだった」

赴任して間もなく、給与明細を見ていて気になった。経理だけに支給されていた謎の手当。

理由を尋ねると、「関連会社の経理も兼ねているから」と言う。けれど、それって本業の範囲では?と思い、経理課長のZさんに「この手当は廃止したい」と説明した。
その瞬間、Zさんは無言のまま、ぽろぽろと涙を流しはじめた。「経理って、評価されにくいんです。この手当が、心の支えだったのに…」

たぶん、誰にも気づかれない苦労と孤独感が一気にあふれ出たんだと思う。

私は「評価の公平性」を丁寧に説明し、最終的には理解を得られた。でも、その時の涙のインパクトは、今でも鮮明に覚えている。

涙(イメージ)

2人目:総務課長のOさん——“子飼い”の代償

Oさんは、いいウワサを聞かない前任の総経理に気に入られていた“子飼い”の1人。肩書は課長だったが、管理能力はお世辞にも高いとは言えず、部署内もギスギスしていた。

改革を進める中で、総務部長から「Oさんを課長から外したい」との強い要望があった。話を聞けば、理由も証拠も十分。経営会議の承認を経て、私が直接、降格を伝えることになった。

説明を終えると、Oさんは静かにうつむき、やがて涙をこぼした。

悔しさだったのか、怒りだったのか、喪失感だったのか……その感情は最後まで読み取れなかった。

ちなみに彼女がその後巻き起こした“ひと悶着”については、別稿「中国の会社で出会った“困った人たち“」で詳しく書いている。

ここまでは、ほんの一部。実はこの後、もっと複雑で、人間臭いエピソードが続いていく。

不正伝票にサインしていた彼女の涙」や、「辞職願い後に戻ってきた課長の後悔」など——。

もしご関心があれば、続きをぜひ読んでみてください。

ここから先は

1,205字 / 2画像

¥ 300

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?