「続・三匹の魚」
1000字の夢日記
✴️この夢は以前、発表した「赤青黄、三匹の魚」の続編です。
✴️(前回のあらすじ)蓮池の畔で水中を覗き込んでいると三匹のカラフルな魚を見つけた。三匹は数珠繋で、くるくる回転し、そのスピードは徐々に速くなっていき、やがては、すり鉢状となり、水面を越え、ふわりと浮き上がった。
オレは三匹の魚の回転で遊んでいたが、そのうちに彼らは徐々に下がりはじめた。
やはり重力には勝てず、このまま水面にまで降りてしまうのか。だが驚くべきことに彼らは再び速度を増してきて、なんと超音速を彷彿させるキ~ンという回転音に変化しながら元の高さにまで戻ってきた。
そこまで彼らを駆り立てるのはいったい何なのか。あまりの感動に声が出ない。彼らの頑張りと執着に目頭が熱くなってきて拍手を送った。
しかし、時間の経過とともに今までのキ〜ンという一定リズムから、羽根の欠けたブルブルブルッという違和感のある音に替わりはじめた。回転も、ぶれ、フラフラしてきて、そのあと回っている三匹の輪から煙が立ちはじめた。どの魚か故障でもしたのだろうか。
この場合、加熱して焦げているはずなので黒い煙になると思いきや、まるでマジックショーのイリュージョンのように派手な虹色の煙を撒き上げている。
それは勢いづく火事のごとく、ゴーッという凄まじい音を鳴り響かせながら大きくなり、あれよあれよという間に立ち登る竜巻にまで発達した。
さすがに、映画の特撮みたいに稲妻が走ったり、雲が割れたりまではしなかったけれど三匹は完全に、この中に呑み込まれてしまった。はたして大丈夫なのか。
心配していると一匹ずつ煙から姿を現し、失速した戦闘機が墜落するように、もみぎり状になって落ちていった。そのときもまた、派手に火花を散らすものだから辺り一面、花火大会のような賑やかさになった。振りまかれた火の粉も、魚といっしょにパチパチと音をたてながら水面へと消えていく。
やがて、三匹とも落ちてしまい煙や風も消え、波もおさまると何事もなかったかのように静寂が訪れた。
切ない気持ちになったけれど彼らはどうなったのか。そのまま死んでしまったのか。
まあ、あれだけの激しいパフォーマンスだったので生き延びる方が難しいかもしれない。オレは勇敢で美しかった三匹の思い出に浸りながら、彼らの沈んでいった水面をぼんやり眺めていた。
どのくらいの時間が経っただろうか。
そろそろ、感傷に耽(ふけ)るのにも飽きてきたので立ち上がろうとした、そのとき、水中にチラッと動くものが。それはカラフルな色を見せながら、ゆっくりと上がってくる。
彼らだ! あの三匹が蘇り、戻ってきたのだ。
オレは、カブトムシの幼虫の脱皮を待ちきれず、早めに皮を剥いてしまった子どものように、興奮しながら水面に顔を近づけた…
ーつづくー

