Neil Young / After The Gold Rush (1970)
ニール・ヤングの初期の名作にして彼の最高傑作として名高い「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」。当時25歳にして早くもシンガー・ソングライターとして一つの到達点に達したといえる本作の楽曲の質の高さは群を抜いている。
同年初めのCSN&Yでの活動を経て、前作で共演したクレイジー・ホースからも離れて制作した(とはいえそれぞれのメンバーも参加している)本作は、アコースティック・ギターとピアノの弾き語りによる"Tell Me Why"と"After The Gold Rush"、穏やかで優しいハートブレイク・ソング”Only Love Can Break Your Heart”と続く冒頭から、哀愁のある甘美なメロディとニールらしく枯れた味わいをもたらす鼻にかかった甲高い歌声が、否応なしに名曲感を漂わせる。
そして次の"Southern Man"では対照的に荒くれたギター・サウンドが際立ち、彼の切迫した憤りを浮き彫りにしている。
後半にも"Don't Let It Bring You Down"や"Birds"といった屈指の名曲が収められ、全編を通して、美しいメロディと繊細で感傷的な歌、そして穏やかさの中に緊張感が満ちた演奏が徹頭徹尾詰まっている。
タイプやスタイルこそ違うが、常に変化し続けるという意味では共通点のあるデヴィッド・ボウイ(個人的には英米ロック・アーティストの二大巨頭)の「ジギー・スターダスト」にも匹敵する名曲揃いの稀代の名盤だと思う。
ロック・クラシックの風格と存在感を現代においても放ち続ける本作は、70年代のシンガー・ソングライター・ブームの先駆けともなっており、ニール・ヤングが老婆とすれ違う瞬間を切り取ったジャケットも激動の60年代が過ぎた後の平穏と空虚の時代を象徴しているように思える。
いわゆるシンガー・ソングライター・アルバムで個人的に一番好きなのがこれ。本当に最高。
大学時代に一人自宅でこのアルバムをかけていたら、外では突如雷雨が降り始め、急に真っ暗になった室内で雨粒が激しく窓を叩く中、孤独感と不思議な開放感が入り混じりながら聴き続けたことを思い出した。
もっと書きたいことはあったけど、4連休終わりの強い睡魔に負けたので今日はここまで。
秋分の日を過ぎ、徐々に冬に向けて季節は進んでいく。
気づけばカウントダウンは始まっている。
