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「わかりやすさ」が共感を奪う? 熱海のV字回復から考える、AI時代にMBAが提唱する「応援される」マーケティングの裏技

すべてがAIで最適化される時代に、なぜ人は「不完全さ」や「わかりにくさ」に惹かれ、応援したくなるのか。中小企業が生き残るための「共感を生むプロセス」について思考を整理しています。
親切で丁寧で、すべてが完璧に説明されたサービス。一見すると素晴らしいですが、実はそれが顧客の心を離れさせているかもしれません。今回は、熱海の奇跡的な復活と現代のヒット作に共通する心理学を解説した記事を入り口に、私たちが陥りがちな「わかりやすさの罠」と、人を巻き込むビジネスモデルについて、私の思考を整理していきたいと思います。


1. 冒頭

なぜこの記事を取り上げたのか

この記事に目が止まったのは、私が経営コンサルタントや地域商社(大山こむぎプロジェクト)の経営者として地方創生に携わる中で、「完璧に整備されたPR」よりも、「不完全でも必死にもがく泥臭い姿」の方が、圧倒的に人を動かすと現場で痛感しているからです。

私たちNewValueCreationは「企業の“再起”と“再成長”を支える」ことをビジョンに掲げています。かつて「さびれた」と言われた熱海がいかにして息を吹き返したのか。そして、情報をどう設計すれば人が熱狂するのか。この記事は、予算や知名度に悩む地方の中小企業にとって、非常に「読む価値」のある逆転の発想を教えてくれます。

2. 記事の要点整理

今回取り上げるのは、PRESIDENT Onlineに掲載された、高千穂大学教授・永井竜之介氏の記事です。

記事では、以下の要点が客観的に述べられています。

  • 熱海の復活:熱海のV字回復の秘訣について、筆者は「さびれた観光地からの復活を目指して、愛される街づくりが進められた。その姿は“応援”したいと思わせるものだった」と述べています。

  • ミステリー効果:情報は「わかりやすい」方が良いとは限らず、Netflixの『地面師たち』の広告やアニメ『呪術廻戦』のように、あえて情報を隠し謎を残すことで、人々の好奇心をくすぐりSNSでの考察を呼ぶ「ミステリー効果」があるとしています。

  • ウィンザー効果:作り手(会社)が自ら発信するよりも、受け手(消費者)が第三者の立場で発信する情報(クチコミ等)の方が信用されやすいという「ウィンザー効果」が紹介されています。

3. 感想・所感

「一度きり」の人生、人は物語の"傍観者"ではなく"当事者"になりたい

この記事を読み、農業法人(山陰農業研究所)の立ち上げ等に携わってきた実務家として深く腹落ちしました。

私の座右の銘は「人生の行路は楽しく、また歩むに十分値するものである。しかし、それは一度きりである」です。
一度きりの人生、人々は単にお金を払ってモノを消費するだけでなく、「自分もその物語に参加して楽しみたい」と願っています。私見ですが、熱海の復活も、行政や企業が完成されたリゾートを提供したからではなく、「復活に向けて泥臭く頑張るプロセス」を公開したことで、若者たちが「自分たちも応援してこの街を盛り上げたい」という「当事者(参加者)」になったからこそ、成し遂げられたのだと感じます。

4. 専門性・論点の掘り下げ

サービス・ドミナント・ロジック」と情報の非対称性の逆転

この現象を、MBA(経営管理修士)のマーケティング視点で掘り下げます。

現代の経営学では、企業が一方的に価値を提供する考え方から、顧客とともに価値を創り上げる「サービス・ドミナント・ロジック(価値共創)」への転換が不可欠とされています。 記事で紹介された「ミステリー効果」は、まさにこの共創を引き出すためのトリガー(仕掛け)です。あえて情報を100%出さず、「余白(ツッコミどころや課題)」を残すことで、顧客が自ら情報を補完し、発信するという行動(エンゲージメント)を促します。

私たちの行動指針に「すでにあるものを、活かしきる」とありますが、中小企業は多額の広告費をかけるのではなく、自社の「苦労」や「未完成な部分」すらもコンテンツ(資源)として活かしきり、ウィンザー効果(第三者のクチコミ)を生み出すことで、顧客を「ファン」を超えた「共犯者」へと変える戦略が必要なのです。

5. 実践への応用・学びを活かす提案

「完成品」ではなく「プロセス」を売る現場実装

では、予算の限られた中小企業はどう動くべきか。私たちの支援アプローチから提案します。

  1. 「完成品」の前に「プロセス」を共有する 新商品や新事業を立ち上げる際、すべてが完璧に整ってから発表する(わかりやすくする)のをやめましょう。「現在こんな課題にぶつかっています」と、SNS等で開発の裏側を公開し、あえて余白を残して顧客に意見を求めてください。

  2. 「応援される理由(パーパス)」を言語化する 熱海のように、「なぜ自分たちはこれをやるのか(再起をかけるのか)」という泥臭い背景を言語化してください。機能的なスペックではなく、理念への共感こそが、最も強力な第三者のクチコミ(ウィンザー効果)を生み出します。

  3. 「伴走」の輪を顧客まで広げる 私たちが「できるまで、伴走する」ように、企業から顧客への一方通行ではなく、顧客と一緒にブランドを育てていくコミュニティを作ること。現場から始める小さな対話が、最大のマーケティングになります。

6. まとめ・リフレクション

すべてがAIで瞬時に「わかりやすく」要約される時代だからこそ、人間は「わかりにくさ」や「未完成な物語」に心を惹かれ、熱狂するのかもしれません。

「可能性に価値を、未来に創造を。」 御社の抱える弱みや課題は、隠すものではなく、誰かに「応援したい」と思わせる最強の魅力になり得ます。完璧を目指すのをやめて、まずはありのままの現場の姿をさらけ出すことから始めてみませんか?

7. 参考文献・リンク


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株式会社NewValueCreation 「可能性に価値を、未来に創造を。」 戦略だけでなく「実行」と「人」にフォーカスする、現場実装型の経営支援カンパニー。 御社に「すでにあるもの」を活かし、顧客から応援されるブランド構築や事業再構築を、形になるまで伴走型で支援します。

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笠谷信明 l 価値創造プロデューサー® 応援よろしくお願いいたします! いただいたチップは、今後の改善の為に使わせていただきます!