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【エッセイ】美濃①─集結の泉と大垣城の戸田氏鉄像─『佐竹健のYoutube奮闘記(139)』(再投稿)

 2025年5月14日。私は東海道新幹線で尾張の名古屋へと向かった。そして、名古屋から東海道本線の米原の方へ向かう列車に乗り換え、美濃の大垣を目指した。

 改札を降り、大垣の駅を出た。周囲にはいろんな店が入った背の低いビル群が建ち並んでいる。ここはわりと、関東の小都市とさほど変わりない。

 が、それよりも目についたのが、駅から出て目の前にある石組みの井戸だった。

 案内板には、

「集結の泉」

 とある。

(集結の泉だって。なんかエヴァみたい)

 確か『エヴァンゲリオン』に『集結の園』って曲あったよね。それっぽくて、少し笑ってしまった。

 泉の水はというと、きれいである。澄んだ水がとくとくと、石で組まれた井戸の真ん中から溢れ、流れている。眩しい五月の陽の光を返しながら。

(でも、待ち合わせ場所としてはいいかも。『集結の泉前な』って言ったら、みんな待ってくれそうだし)

 こうした意味では、ある種名前通りの役割を果たしているなと思った。駅前にいろんな意味でインパクトのでかい場所が、ここにあるのだから。


 大垣の街を歩いた。

 駅へと向かう大路を中心に、商店街が展開されている。町の商店は、主に個人商店である。地方都市の駅にしては珍しい。

 また、商店街の歩道には、雁木というか庇のようなものがあった。この辺りから推測するに、雪は降るのだろうか? 少し、気になった。

 しばらく歩くと、庇が途切れた。その先には川があった。前は橋が架かっている。

(なんかいいな……)

 なんとなくだけども。私は端の向こうから見える景色を少し見た後、Google Mapの示す大垣城の方へと足を進めた。


 大垣城へ着いた。右側の二の丸方面は公園になっていた。一方の本丸方面は石垣で覆われており、高くなっている。そしてその上から見える白壁の塀が赴きあっていいなと思った。

 公園になっている二の丸跡を経由して、櫓のある本丸を目指す。本丸に沿って植えられている桜木の青葉が、風に揺られて爽やかだった。同時に葉と葉の間から、赤や黒っぽい色をしたさくらんぼが見えた。

(ソメイヨシノのさくらんぼって、あまりおいしくないらしいけど、どうなんだろうな?)

 こんな話を聞いたことがある。さくらんぼは「桜の果実」という意味の「さくらんぼ」である。市場に出回っているさくらんぼは、食べる専用のそれであって、春に愛でるソメイヨシノのそれは不味いと。

(でも、こうして見ると、なんかおいしそうではあるのよな)

 小ぶりの実で、ちょっと甘そうな感じ。実際食べたらどうなのかはわからないけども。不味いのはおそらく、果実に対する果肉と種の割合のうち、種の方が多くて、果実が少ないからではないか? なんとなく、そんな気がした。実際食べたことがないから、味に対する「おいしい」とか「不味い」の保証はできかねるけども。

 お城の本丸の方を見た。漆喰の塗られた三層の櫓の目の前には、甲冑を着た騎馬武者の像が建っていた。

「誰だろ?」

 大垣城と言えば石田三成だけども、それっぽい感じではない。

 近寄って、銅像になっている人物が誰なのか確認した。銅像の台座には、

「戸田氏鉄像」

 とあった。

(戸田氏鉄か)

 聞いたことがない。おそらくは大垣城に関係ある武将なのだろう。

(しかし、いい構図だ)

 コバルトブルーの青空と白亜の三重の櫓をバックに建っている騎馬武者像。これだけでもとても絵になる。

「写真を撮らせてもらおう」

 私は持っていた愛用のニコンのカメラで写真を撮った。

 仕上がりは予想通り、よかった。

 余談だが、この写真は今年のデジタル年賀状に使った。というのも、今年は午年だし、ちょうど澄んだ青空をバックにした騎馬武者の写真があったから。

(美濃編②へ続く)


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