【選挙と鬱】8月24日㊐ 横浜シネマリン 上映後トークレポート【中村高寛さん】
2025年8月24日(日)@横浜シネマリン

横浜シネマリンには、この日もたくさんのお客様にご来場いただきました!
この日『選挙と鬱』上映後に登壇したのは、僕と中村高寛監督です。中村監督は『禅と骨』『ヨコハマメリー』などで知られる、日本を代表するドキュメンタリー映画監督のお一人です。そして僕にとっては日本映画大学時代からの恩師でもあります。
中村監督の初見トーク
実は中村監督、この日『選挙と鬱』を初めてご覧になりました。観客の皆さんと同じタイミングで映画を観て、そのままトークへ!これは中村監督にとってもはじめてのことだそうです。
「事前に観てしまうと私情が入りすぎるから、あえて初見で臨んだ」というようなことを言ってくれた覚えが。つまり、観た直後の生の感想をその場でガチンコで伝えたいという中村監督なりの粋な計らい!もし気に入られなかったらどうしよう…!と、ドキドキ。でも中村監督となら絶対面白くなるだろう、とワクワク。
序盤、中村監督が話してくれたことで印象に残っているのはーーー
「ナレーションを排して映像だけで構築している作品。その分、一つひとつの場面を丁寧に追わないと成立しない。丹念な取材が伝わってくる」
「これは青柳拓という作家がいて初めて成立する映画。監督が身体性をもってぶつかることで、物語が動いていく」
「『東京自転車節』の続編のよう」
という作品分析。
前々作『東京自転車節』で培った撮影スタイル、この作品にもしっかり生きていることを指摘してくださいました!よかったです!

YouTube的な軽やかさ
中村監督が語ったもうひとつの『選挙と鬱』の特徴は「YouTube的なリアルさ」。
「前半の選挙シーンは、政策の細部を描かず、博士の選挙戦が持つおちゃらけ感や軽妙さを前面に出してる。浅さでもあるけど、それは軽やかさにつながっている」とのお話。
桃鉄や、「マムちゃん」連呼で博士に介入していくカメラ、博士チームの内側に入って、その遊び心を映画の中に取り入れました。選挙を堅苦しいものではなく、関わる入口として楽しく観てもらうことを大事にしたかったです。実際、自分が体験して選挙のイメージが壊れるほど楽しかったし、同時に「これが国の代表を決める仕組みなのか」という皮肉、恐ろしさも込めました。
1年の空白「待つ」という選択
「本来なら当選の場面で終わっても成立したはず。でも、その後の鬱の1年を待ったからこそ、映画になった」とのお話も。
実際、あの1年の間も撮るべきかどうか悩みましたが、僕は「何も言わずに待つ」と選択しました。ここにはきっと正解はなく、監督によってさまざまだと思います。中村監督も「自分でも同じように、連絡が来るまで待つ」と話してくださったこと印象的でした。そして「その選択が、青柳監督の作家性を示している」とも。
まとめ
気づけばあっという間の濃密30分。水道橋博士はいない場なのに、初めて笑いが起きたトークでした。
余談ですが、中村監督とはかれこれ10年の付き合いになりますが、今回は僕の進行を「よかった!」褒めてくださって、それもとても嬉しかったです。これは確実に、博士と三又さんとの舞台挨拶で自然と鍛えられた成果だと感じています。うれしかったな。

中村高寛監督、楽しいトークをありがとうございました。
そしてご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
横浜シネマリンでの上映はまだ続きます。
未見の方も、もう一度観たいという方も、ぜひこの機会にご覧くださいね。

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