インタビューだけじゃないモデレーターの仕事――企画・インタビュー・分析「三位一体」の話 #02
モデレーターになりたくて入った会社で、上司に耳にタコができるほど言われたのは「企画、インタビュー、分析、この3つは三位一体だ」ということでした。
「人の話を聞くだけでいい」と思って志願したわたしは、思わずため息をつきました。インタビューだけじゃないのか、と。
今は、上司が言っていたことはよくわかります。確かに、この3つは切り離せない。なぜなら、3つの相乗効果でインタビューで得られる情報の質・量が格段に上がるからです。このnoteで書いていくことも、この3つを行き来することになります。それを最初にお伝えしておこうと思います。
モデレーターに求められる3つのスキル
定性調査の「モデレーター」というと、インタビューの進行役、つまりインタビュースキルに特化した専門職と思われがちですが、それだけでは務まりません。
まず企画・設計のスキル。どういう目的のインタビューなのか?話を聞くべき人はどんな人か?何を、どういう順番・時間配分で聴取するか?という調査の設計をするスキルです。
次にインタビュー(モデレーション)のスキル。対象者との信頼関係を築き、発言を深掘りして、使える情報を引き出すスキルです。
そして分析のスキル。対象者の発言や反応をどう解釈するか?インタビューで得た情報をいかに構造化し、気づきを見出すか?それをどう施策につなげるか?というスキルです。
なぜ「三位一体」なのか?
この3つは、それぞれ別個のスキルではありません。互いに深く関わり合っています。
良いインタビューをするには、インタビューの前に「このフローで本当に目的のアウトプットが得られるか?」をモデレーター自身が判断できなければなりません。フローの妥当性を判断するためには、インタビューからどういうアウトプットを引き出さなければならないか?を分かっていなければならない、つまり分析の視点を持っていなければなりません。
逆に言えば、分析スキルを備えているモデレーターだから、発言の深掘り(プローブ)ができます。「この発言の背景には何があるのか?」という分析的な観点で相手の話を聴けるから、適切なプローブができるのです。
このnoteで扱う内容について
このnoteでは、3つのスキルのうち分析を中心に書いていきますが、三位一体なので、モデレーションの話も出てくると思います。「分析の話かと思ったら、急にインタビューの話になった」と戸惑わせてしまうかもしれませんが、それは意図的なことです。ご了承ください。
