ひとりごと きみへの手紙
ありがとう
生まれてきてくれて
ありがとう
息子に、そう伝えた
ありふれた、なんの個性もない
この言葉が
これ以上の言葉がなくて
なんだか無性に
伝えたくなって
寝る時に伝えた
息子は、小さくうなずいて
そのまま寝息を立てる
ああ
私もこのまま寝てしまいたい
キッチンを片付けないと
我が家の姫(ねこ)が食べてしまう
部屋も、おもちゃだらけ
レゴは踏むと痛い
重いまぶたと身体を
どうにか持ち上げる
うまくいかないことも多くて
ふたりで大泣きすることも
あるけれど
私は
あなたに会えて
これ以上ない幸せを
知ったんだ
伝えたいことを
伝えられる
それ自体が
奇跡のような瞬間
そうしていつも、忘れてしまう
私は明日も、一年後も
ずっと
いつか流れる星になっても
あなたに伝え続けるよ
生まれてきてくれて
ありがとう
片付けたら
私も
大の字に占領された布団で
手をつないで、寝よう
