ロードじまにゃんの事件簿 #1|優雅なしぐさの女性
青く澄み渡った海を望む、喫茶店のテラス席。
長い髪、青い目の女性が、紅茶をたしなんでいる。
その所作には、どこか欧州の貴族(ロード)を思わせる気品があった。
岡村正義は、海に目をやりながら、気ままに歩いていた。
ふと見上げた空に、海鳥が大きく羽ばたく。
その視線の先に、テラス席の女性の姿があった。
岡村は足を止める。
そのまま、自然と喫茶店へと足が向いた。
階段を上り、入口のドアに手をかける。
そのとき、「プライベートタイム」と書かれたプレートが目に入った。
岡村は軽く肩をすくめ、踵を返す。
ふと、テラス席に目をやる。
女性が、こちらを見て微笑んだように思えた。
岡村の頬が、わずかに緩む。
その様子を見ていたかのように、海鳥がひときわ大きく鳴いた。
もう一度、テラス席を見る。
そこには、もう誰もいなかった。
岡村は小さく首をかしげ、再び入口へ向き直る。
「ウェルカム」
さきほどとは違うプレートが、静かに揺れていた。
岡村は、ドアを開けた。
中には、先ほどの女性が立っていた。
→ ロードじまにゃんの事件簿 #2 |素敵なメイド姿 に続く
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