(83)ナヨクサフジ
ナヨクサフジ
ヨーロッパや西アジア原産のマメ科植物である。
日本では緑肥や飼料として利用される目的で種子が販売されている。
日本には在来種のクサフジという植物も存在するが、いずれもソラマメの仲間である。
ただし、ナヨクサフジは、食用としては実が小さすぎるため、主に他の用途で活用されている。
緑肥とは何か
緑肥とは、新鮮な緑色植物をそのまま田畑に漉き込んで肥料とする方法である。
この目的で栽培される植物は「緑肥作物」と呼ばれるが、緑肥作物としてよく使われる植物の代表がマメ科の植物だ。
植物の成長には窒素が不可欠であるが、肥えていない土壌には窒素が不足していることが多い。
この課題を解決するために、空気中の窒素を体内に蓄積し活用する能力を持つ植物が進化した。
その典型がマメ科の植物であり、農閑期にこれらを畑に撒いて漉き込むことで、窒素の豊富な土壌を作り出すことができる。
さらに、マメ科植物は寒さに強い種類が多いため、秋冬にも栽培が可能で、土地の通気性を向上させ、漉き込まれた後の分解が早いという利点も備えている。
日本の水田と緑肥作物
水田を準備する過程で使われるレンゲソウやシロツメクサも、マメ科植物であることを今回改めて知った。
自分の不勉強を反省するとともに、これを発見し、活用してきた先人たちの知恵には、驚きと敬意を抱かずにはいられない。
散歩中に見つけたナヨクサフジ
ある日、散歩中に畑の脇でナヨクサフジを見つけた。その場所を頻繁に通るが、緑肥として畑に広く生えている様子は見られない。畑の脇にひっそりと咲いているだけである。おそらく、かつて緑肥として使われたものの子孫であろう。その美しい花が静かに周囲の景色を彩り、自然の魅力を感じさせてくれる。
