見出し画像

感情

 病気の事を書くのは、気が引けます。前にも書いたけど、重たい空気になるからです。でも、ただ愚痴を言うだけではなくて、対処に繋がるヒントになるような事が話せればいいのかな。そんなことを思いながら、書いてみたいと思います。

◆ 暴力を振るう子ども

 何かの本で読んだのですが、ある精神科医の先生の話です。処方が凄かった。薬だけじゃない処方をできる先生なのです。薬も相当考えて出してる様子でしたが、薬の話は省きます。というか、薬剤師でもなく直接会ったこともない人が、薬の話をしてはまずい(汗)。
 話をもとにもどしますが、例えば、ある暴力を振るう子どもがいました。それで、先生は「布団を丸めて紐で縛ったものを、それを毎日殴ってみてくれないか? それでちょっとでも、すっとするようだったら、次回教えて欲しい」と子どもに言いました。それで、すっとしたと言ってきたら、何か動きを押さえつけられてる子どもなんだなと判断して「やっぱり人を殴ったら、殴られた人は大迷惑だから、どうしたら無害な形で発散できるか一緒に考えようか」と言って一緒に試行錯誤する。

◆ 過敏な子ども

 ある種の発達障害で、非常に刺激に対して過敏になる子がいます。刺激が多過ぎて耐えられない時は、静かな所で落ち着く時間が必要な人がいます。でも、そういう場所がすぐには、用意できない時もある。
 そういう子どもの患者さんに対して「布をかぶって、落ち着くか試してみて次回教えてほしい」と言う。それで「落ち着く」と言ったら、「今度は、目をつぶって、布をかぶった状態をイメージできないだろうか、それで、うまくいくか次回教えてほしい」と、その子が、できそうな対処を一緒に探っていく。凄いなと思って、読んだ覚えがあります。

◆ 薬以外の処方


 問題を抱えている人は、薬も必要な場合が多いけれど、薬だけの対処じゃ難しい所に対して誰も手助けができない事が多いです。でも、実際、そういう薬以外の処方ができる先生というのは、名人芸を使っているようなものなので、なかなか他人が真似できない。そして、そういう処方は個人差が大きくて、枠組みが作れないから、公的な報酬を支払えない……
 すみません……暗い話はやめよう……
 二つご紹介しましたが、文章で、書ききれていないようないろいろな事もその先生は細かい観察をしていて処方している様子でした。今までの経過だけではなくて、患者さんが呼ばれた時の返事のタイミングとか。歩き方とか。そんな微妙なことまで判断に入れてる。そういう一朝一夕では、身に着けられないような経験を蓄積してて、薬以外の処方を出してる感じでした。
 だから、単純に、これを真似して、やってみようって、真似してもうまくいかないと思います。相当な経験と、試行錯誤が必要なんだと思います。ただ、私が思ったのは、薬以外の処方の可能性というのを感じました。お金がかかることや、何かを服用するとか、危険性のあることはできない。でも、専門家じゃなくても何かできることがあるんじゃないか、そう思いました。専門家の指導じゃないから自己責任になってしまいますが……困っているけれど、教えてくれる人がいないから、自分で探すしかない。
 ちょっと、どうだろうと思うような健康法はネットなどにあふれてるから、それは気をつけなきゃいけないですが。

◆ 自分の問題

 私が抱えている問題はかなり酷い疼痛なのですが、それが、ストレスで、さらに体が強張って、悪化する、凄く簡単に言うと、そんな感じです。眠れないので、睡眠薬や筋肉を和らげる薬を飲んだりしています。いろいろ不自由があるから、精神的にしんどいです。
 で、精神的なストレスの方ばかりを、お医者さんに言うと「では、緊張を和らげる薬を出しましょうか」という事になる。でも、薬も少しならいいのですけど、どんどん増えると、別の問題が出てくる。
 それから、よくあるのが、小さな目標と大きな目標を立ててできることをやっていきましょう、というやり方。私も、ワークブックみたいなものを渡されました。そして、自分の良い面を見つけるようにしましょう、といわれて、無理やり良い面を良い面を言わされる。
 それが合っている人も多いです。でも、私はそれ以外のことでも困っていました。

◆ どうしようもない気持ち


 どうしようもない気持ちを、どうしたらいいのか。あんまり言うと「薬を」ってなる。医師としては、忙しいから、そんなに一人の患者さんに対して、長い事、話を聞いてられない。
 家族に話をし過ぎて負担をかけて「話を聞いてくれるロボットがいればいいのにね」と言われて、あまり長く話してはいけないなと思った話も、前に少ししました。友人にも、さらっとは言えるけど、友人関係が壊れるので、そんなにくどくど言えません。
 

◆ LINEと空と手


 こんなことをやったこともあります。あれは、相当にまずい時期でした。似た病気で悩んでる人とネットを通じて支え合ってたのですが、お互いの酷い状況を話合ってました。似た病気なので、共感できます。最初はよかったのですが、酷い話を詳しく聞くので、どっちも気が滅入ってきてしまった。最高にまずくて、二人とも死にたいくらいの状況でした。似た問題を抱えている人同士の支え合いも、感覚の持ち合わせがあるので、非常に有効ではあるのですが、「お互いに離れられなくなって、共倒れ」というを防ぐというのも、難しい問題です。
 それで、お互いに空の写真を撮って、LINEで送ってもらう。こっちも送る。空だけは、繋がってる。生存確認ができるし、相手が無関心になっているわけではない、見捨てられたわけではない、ということも確認できる。
 それでも、辛くてどうしようもないときは、手の平の写真を送る。それで、抱きしめてもらってるイメージを持つ。手のひらに手書き「ありがとう」って書いてみたり。そんなやり方をしてた事もありました。

◆ 感情の切り捨て

 ICレコーダーに声を吹き込む。これも前にやっていたことでもあったのですが、ちょっとやめていました。いろいろできる事が増えてきて、ほかのことで紛らわす事ができていたので。
 しかし、最近ちょっと、きつくなってきました。前に書いたように、どうしようもない気持ちを、前向きな行い……ラジオを聴いたり、配信したり、リハビリしたり、植物みたり……そういったことだけでは、残ってしまう部分。どうしようもない気持ち。弱音だったり、自分に対する怒りだったり、そういう所を助けてくれる人がいない嘆きだったり。
 どうしようもない気持ちを感じ続けていると、それではやっていけないから、切り離し、切り捨ててしまったりする。それで、それは奥にため込まれてしまう。それは、原因のわからない緊張や不調に繋がってしまう。

◆ ICレコーダー

 それで、またICレコーダーを復活させる事にしました。日にちを言って、自分の遣り切れない気持ちを話すだけです。振り返って聞いたりもしないかもしれません。でも、壁とか空中に向かって話すよりは、私は話せた。ぬいぐるみとか、人形の方がいいという人がいいという人もいるかもしれません。
 でも、感じている事を書くじゃなくて、話すというんは、肺とか喉とか体の真ん中を使って、話す事ができる。感じてあげることができる。加減しなきゃいけない時があるから難しいけど、遣り切れない気持ちだからといって、感じないでいると、終わらない。
 終わらないで貯めておくと、嬉しくないことに「利子がつく」。
 正しい言い方かどうかわからないけど、「あのお菓子食べたかったのに」という気持ちを長年抱えてると、凄くそういう気持ちが大きくなったりしませんか。食べることができたら、そんなでもないこともある。
 あるいは、凄く好きだった人に、それを言えなくて、ずっと気持ちが大きくなるとか。
 利子がついても、それほど、差し障る感情でなければいいのですが、健康を損なうようなものだったら、何か手立てを考えなくてはいけない。
 私のような変な状況で気持ちを話せない人は、少ないと思います。
 でも、コロナで分断されてて、話ができなかったり、あるいは、リモートワークとか、狭い所に押し込められてると、かえって、気持ちを伝えられなくて困っている人も多いのではないかと思いました。
 明るい楽しい話でなくて、申し訳無い気持ちが、あるのですが、どうしようもなくストレスを抱えている人に対して、何か参考になれば幸いだと思います。

その他の作品へ

いいなと思ったら応援しよう!