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スーパーで、後ろ髪ひかれた日

昨日、いつものスーパーへ買い物に行った。

レジにいた店員さんは、初めて見る20代前半くらいの金髪の男の子。
そのレジに並ぶと、私の前にはおじいさんがいて、カゴの中を覗きながら店員さんと何か話をしている。
そしておじいさんが手に持っているお金を、二人で数え始めた。
お金が足りないみたい。

​店員さんは私に気付くと、放送でレジ応援を呼んでくれた。時間がかかりそうだったからかな。
やってきたベテラン風のパートさんは、えっ?という顔をしていた。並んでいるのが私だけだったからだと思う。
でもその店員の男の子は、「あちらのお客様のレジをお願いします」と、テキパキ伝え、すぐにおじいさんの対応に戻った。
しっかりしてるなぁ。

​隣のレジで私がお会計を済ませた後も、二人のやり取りはまだ続いていた。
周りのお客さんは怪訝そうな顔をして見ていたけれど、店員さんは優しく笑いながら、まるで孫とおじいちゃんとのやりとりを見ているようだった。

​スーパーから出るとき、後ろ髪引かれるってこういうことなのかな、って思った。
なんだか涙腺がゆるゆるした。

​家に帰って、夫にその話をした。
夫は店員さんより、そのおじいさんの方が気になったみたい。
「少しでも多く買って帰りたかったんやろな。お金ギリギリって大丈夫なんかな」と。
見ず知らずのおじいさんのことを、二人で勝手に心配する。実際は心配するような状況ではないのかもしれない。たまたま昨日がそうだっただけで。
でもやっぱり、気になってしまう。

それにしてもあの男の子、本当にしっかりしていたなぁ。
あの状況であんな風に落ち着いて笑えるのは、すごいと思う。

やぶけたビニール袋から、半分はみ出ていたちくわ天。
あの後どうなったんだろう…。
そんな小さなことも気になったりして。

そういえば…。
買い物中にかすかに聞こえてきた明るい声は、あの子の声だったんだとハッとする。
あの子の笑顔と笑い声は、とっても素敵だった。



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