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〔ショートショート・和解劇場〕内緒

掃除を終え手を洗っていると、鍵を開けて男が入ってきた。
「あら、今さら何しに来たの。合鍵を返しに?それとも彼女に振られた?」
男はばつが悪そうに言う。
「いや、あれはただの浮気で、本命は君だけなんだ」
「ふーん。『茶髪にしたら』とか『スカートはけば』とか『ピアスあけないの』とか、私に言いたい放題だったよね。全部、別の女と比べてたんでしょ。本命への態度とは思えないけど」
「だからそれは気の迷いで……。本当は黒髪のストレートが好きなんだ。ピアスも好きじゃない。やっと分かったんだ、君しか居ないって」
私は鼻で笑う。
「彼女はどうするのよ」
「もうLINEもブロックしたし、会うこともない。許して欲しい」
男はそう言いながら私を抱きしめる。やれやれと思いながらも、私も彼の背中に手を回す。和解成立だ。
茶髪の女が「男と連絡が取れない」と押しかけて来て、今はクローゼットのブルーシート中で動かなくなっていることは、まだ言わないでおこう。
(完・406字)


こんばんは。
こちらに参加させていただきます。

たらはさん、お手数かけますが、よろしくお願いいたします。
読んでくださった方、ありがとうございました。

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