「図書室のはこぶね」(名取佐和子)
書籍名:「図書室のはこぶね」
著者:名取佐和子
ネコデコ価格:600円
棚主ID:2350
書籍に挟んだ解説文
体育祭を前に湧き立つ高校。
怪我をして部活どころか体育祭にも参加できない花音は、体育祭準備に忙しい友達に変わって図書当番を引き受けることに。
そんなとき、貸し出されたままだった図書、ケストナーの『飛ぶ教室』が、10年ぶりに返却される。
誰が、なぜ、今になって?……。その謎を解き明かすべく俄然張り切る花音。だが、それは封印されていた先輩たちの過去を紐解く行為でもあった。
体育祭ハイライトの団体競技「土ダン」(土曜日のダンス)を巡る生徒たちの想い。そして10年前の体育祭に関わる出来事。それぞれが交錯しながら描かれていく1週間の物語。
追記
高校の名前は野亜高校、艦船の浮かぶ海が見渡せる図書室が舞台だ。小説に登場する地名はどれも実在しないものばかりだが、横須賀の汐入あたりが目に浮かぶ。土地に馴染みのある方は想像しながら読んでみてほしい。
そして、毎年「土ダン」で踊られるダンスの曲は「Saturday Night」(by Bay City Rollers)である。(余談だが、超個人的に胸熱です。)
高校の体育祭には、皆それなりに思い出があるのではないだろうか。
この本の嬉しい美味しいポイントは他にもあって、
★目次が曜日順、1週間の出来事が展開
ー「月曜の本」「火曜のパソコン」「水曜の蔵書検索」といった具合。
★巻末に紹介されている「野亜高校図書室の今月のおすすめ本」
ー「飛ぶ教室」はもちろん、ドイルや井上靖ほか実在の良書の書評あり。
最後に。『飛ぶ教室』を軸にミステリー仕立てで進行する本書、謎解きのストーリーに沿って描かれる個性豊かな登場人物の描写は秀逸です。
