【世界遺産アヤソフィアで生まれた小さな友情】ソラと一緒に旅する世界

あたたかい光がアヤソフィアの大きなドームを照らしはじめた朝。
ぼくはチューリップの香りが広がる庭を歩いていた。
ふと前を見ると、茶色のしっぽがひょこっと揺れている。
近づくと、
その茶トラの猫は振り返りもせず、
「ついてきていいよ」
とでも言うように、のんびり歩き続けた。

少しだけ緊張しながら、
その後をとことこ。
地域で暮らす猫にとって、
旅人のぼくはちょっと珍しい存在。
でも、その足どりはどこか優しくて、
まるで
「ここは安心できる場所だよ」
と案内してくれているみたいだった。
2匹がたどり着いたのは、
小さなカフェのテラス席。
店主さんが茶トラを見つけて笑い、
「今日も来たのかい」
とやさしく頭をなでてくれた。

嬉しそうに目を細める茶トラの横で、そっと並んで座った。
次の瞬間、
ぼくの頭にも大きな手がぽん。
びっくりして
耳がぴくっと動いたけれど
茶トラが気持ちよさそうにしているのを見て、ゆっくり目をつむった。

あたたかい手のひら。
花の奥で揺れる、古都のやさしい風。
気づくとぼくは、
「旅先で友達ができるって、こんな感じなんだ」と
胸のあたりがじんわりあたたかくなっていた。
そのあと茶トラは、
「行ってみなよ」
とでも言うように前を歩き、
カフェの奥の席へ案内してくれた。

ぼくが椅子に座ると、
目の前には湯気の立つチャイ。
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