知識を増やしても、写真は上手くならなかった——独学で遠回りした僕が、写真の学校をつくることになった話
僕の写真は、スマホから始まりました。
僕が撮っていたのは、自然の風景と人が残していったものの気配。
古い石段や、廃線、廃駅、使われなくなった道。
風景の中に時間だけが静かに堆積しているような場所に、なぜかカメラを向けたくなる。

ただ、スマホでどうしても撮れないものが一つだけありました。星空です。
夜空の下でシャッターを切っても、当時のスマホではうまく写すことができませんでした。あの星空を写真に写し撮りたい。
その一心で、ソニーのフルサイズミラーレスを買いました。そこからは、たびたび星を撮りに行く日々です。新月の夜に熊対策をし、凍える夜に三脚を立て、星空の世界に浸る。

星だけではもったいなくなって、自然風景、野生動物、街の風景など。撮るものは、どんどん広がっていきました。そして広がるほどに欲が出てくる。
せっかく写真をやっているのだから、うまくなりたいと。

そこからはかなり遠回りしました。
YouTubeを見て、本を読んだりして、知識を増やしていく。
露出の考え方や、構図のセオリーやレタッチの手法なんかも、頭には入っている。
撮れる写真は、それなりに綺麗。SNSに上げれば、いいねもそこそこつく。
それなのに、撮って帰った一枚をパソコンで見返すたび、いつも同じところで、がっかりしていました。
——綺麗に撮れている。でも、それだけだ。
現地で感じた空気や、心の揺れが、写真には伝わる形で写っていない。
知識は確かに増えているのに、写真は、本当の意味では良くならない。
この乖離が何なのか、当時の僕には説明できませんでした。
わかりやすい目標が欲しくて、フォトコンテストにも応募するようになりました。でも、応募しては落選、また落選、の繰り返しです。
つらかったのは、理由がわからないことでした。
コンテストの結果は、「入賞か、落選か」でしか示されません。
なぜ落ちたのかは、誰も教えてくれない。入賞作と自分の一枚を並べてみても、何がそんなに違うのかわからない。
——結局は、審査員の好みなんじゃないか。そんなふうに、拗ねたくなるときもありました。
独学のままの写真が、どうすればそこへ届くのか。その道筋が、まるで見えませんでした。
困っていたとき、偶然目に留まったのが、Kogameさんのコミュニティの募集でした。
転機は「知識」ではなかった
Kogame Photo Community(KPC)に、僕は一期生として入りました。
そこで言われて、いまも忘れられない言葉があります。
目指すのは、ただ綺麗な写真じゃない。人の心を動かす写真。
何かを訴えかけて、見た人を少しだけ動かす、そういう写真だ。
これは衝撃でした。
でも、あの「綺麗なのに、物足りない」の正体は、たぶんここにありました。
僕はそもそも目指す場所を、取り違えていたのかもしれない。
KPCで体験したのは、「感覚ではなく、思考で写真を良くしていくプロセス」でした。憧れの一枚を分析する。なぜ惹かれるのかを、言葉にする。自分の写真との差分を見つけて、レタッチや次の撮影で試す。その繰り返しです。
僕の写真が変わり始めたのは、新しい知識を仕入れたときではありません。
学ぶ順序と、写真を一緒に考える仲間を手に入れたときからです。
結果は少し遅れてやってきました。
国際フォトコンテストで入賞が続き、カメラ雑誌や写真誌に寄稿する機会もいただけるようになった。
でも、突然才能が芽生えたわけではないと思っています。
変わったのは学び方の順序だけでした。
初心者に本当に足りないもの
その経験を経て、ようやく言葉にできたことがあります。
多くの初心者がつまずいているのは、たぶん技術の不足ではありません。
知識と、自分の写真のあいだにある「解釈」——その知識を、いつ、どう使うかという段階です。
構図のセオリーは知っている。でも、目の前の風景で、どれを使えばいいかわからない。レタッチの手順は知っている。でも、この一枚を、どの手法を用いてどう仕上げるべきかわからない。
知識のインプットと、作品のアウトプットのあいだに、誰も教えてくれない空白がある。これは「解釈の空白」です。
コンテストで落選の理由がわからなかったのも、いま思えば同じ空白の前で立ちすくんでその先に進めなかっただけなのかもしれません。
KPCを主宰するKogameさんから教わった整理があります。
写真を見る力には、段階がある。最初は誰もが、「好きか、嫌いか」でしか写真を見られない。そこから、写真を分析できるようになる——光がどこから来ているのか、なぜこの構図なのかを、読み解けるようになる。分析できれば、再現できる。再現できれば、自分の表現の土台ができる。
YouTubeと本だけで学んでいた頃の僕は、たぶん最初の段階にいたままで知識だけを積み上げていました。梯子を持たずに二階の景色を眺めていたようなものだと思います。
だから、つくることになった
KPCに辿り着けたのは、正直に言えば偶然でした。あの募集が、たまたま目に留まっただけです。
もし見つけていなかったら、僕はきっと、「解釈の空白」の前で立ちすくんだまま、かなり遠回りをしていたと思います。諦めはしなかったでしょうが、その分、ずいぶん長い時間を使っていたはずです。
でも、誰もがそこまで粘れるわけでも、この場所に運よく出会えるわけでもありません。遠回りの途中で、あるいはその手前で、写真から離れてしまう人だっている。だからもっと手前に、最初の一歩を差し出せる場所があれば——そう思うようになっていました。
その「最初の一歩」をつくろう、という話が、Kogameさんのコミュニティで動き出したのです。声をかけてくれたのが、Sampoさんでした。「一緒にやらないか」と。あの頃の自分がいちばん欲しかったものを、今度は、届ける側にまわれるかもしれない。迷いは、ありませんでした。
こうしてKogameさんの監修のもと、Sampoさんと二人で立ち上げたのが、Kogame Photo Academy(KPA)です。初心者のための、4ヶ月の学びの場。2026年8月に開校します。
ライブ講義と、毎月の課題。提出した写真への、個別のフィードバック。Discordでのやり取り。希望者は、フォトウォークで講師と一緒に撮る。カメラを買ったばかりの人が、4ヶ月後に「写真の見方が変わった」と感じられるように設計しました。
教えるのは、雲の上の天才ではありません。講師は、本業を持つ会社員。少し前まで、あなたと同じ場所にいた人間です。「何を撮ればいいかわからない」という迷いも、「撮っても上達しない」という焦りも、経験してきました。だからこそ、どこでつまずくのかを、自分の記憶として知っています。
もしかしたら、こう思う人がいるかもしれません。「講師の得意分野と、自分が撮りたいものが違ったら?」と。僕が得意なのは風景や星景で、Sampoさんはストリート。だから、たとえばポートレートを目指す人は、教われないんじゃないか、と。
でも、KPCで僕が学んだのは、「風景の撮り方」でも「星の撮り方」でもありません。憧れの一枚を分析して、自分の写真との差を見つけて、次に一つだけ試す——その考え方そのものです。ジャンルが変わっても、被写体が変わるだけ。写真を良くしていく道筋は、驚くほど地続きです。だから、あなたが何を撮りたい人であっても、きっと効きます。
上手さより距離の近さ。
あの頃の自分が欲しかった場所を、そのままかたちにしたつもりです。
公開した日に、ほぼ満席になった
正直に書くと、こんなに早く埋まるとは思っていませんでした。
KPAの募集に、ネット広告は一円も使っていません。やったのは、写真展の会場でフライヤーを設置し、興味がある人に持ち帰ってもらうこと。公式LINEでお知らせすること。そして、コミュニティの中で少しずつ積み重ねてきた信頼——それだけです。
定員10名で開始した募集はあっという間に埋まり、急遽、定員20名に増枠。
その定員20名も、募集を公開したその日の数時間以内に、埋まりました。
嬉しさよりも先に来たのは、驚きと、責任感でした。「何を撮ればいいかわからない」「独学に限界を感じている」——あの頃の僕と同じ迷いを抱えた人がこんなにいたのかと。
同時に少しだけ確信も持てました。足りていないのは才能ではなく、解釈の空白を誰かと一緒に埋める場所なのかもしれないと。
これから写真を学ぶ、あなたへ
第1期は満席になりましたが、いま第1期のキャンセル待ちと、第2期(2026年12月開講予定)開校の受講予約を受け付けています。予約に費用も義務もありません。手を挙げておくだけ。
空席が出たときと、第2期の募集開始のときに、優先してご案内します。
▶ Kogame Photo Academy のご案内
すぐに手を挙げなくても、大丈夫です。
まだ迷っている方は、まず公式LINEにご登録ください。
友だち登録後に「スターターキット」とだけメッセージを送っていただくと、「KPA はじめてのスターターキット」を無料で進呈します。KPA第1期の受講生に、開校前に配布しているものと同じ教材です。
中身は、写真を学ぶうえで「これだけは必須」という基礎知識を一冊に整理したもの。露出、構図、現像——独学で断片的に拾ってきた知識が、どこまで揃っているか。まずはチェックリストのつもりで開いてみてください。 全部知っていたら、あなたはもう次の段階です。抜けが見つかったら、そこから埋めれば大丈夫。どちらでも、いまの自分の現在地がわかります。
公式LINEでは、撮り方や光の見かたについての小さなヒントや、KPA・KPCのお知らせも、これから少しずつお届けしていきます。
▶ 公式LINE
※友だち登録後に「スターターキット」とだけメッセージを送ってください。
なお、落選ばかりだった頃に、自分なりに見つけた向き合い方は、過去に別の記事にも書きました。よければ、こちらも。
綺麗には撮れる。技術も学んだ。なのに、どこかで物足りない。
もし、あなたがいまそう感じているなら——足りないのは、たぶん知識ではないのだと思います。
そして、それは決して、あなたのセンスのせいでもない。
僕が遠回りしていたあの頃の自分に渡したかったものが、KPAで手に入れられます。
