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そんな俺は、ギャルゲーで女子高生に泣かされている

恋愛はもう資本主義の便器や──なんて言葉を吐きながら、 今、俺はギャルゲーでとんでもなく丁寧に作られた制服のシワに泣いている。

【始まりは、“選択肢”だった】 「手を握る」「黙って見守る」「話題を変える」──その選択肢に10分かかった。 心の中で“バッドエンドルート”のリスクを計算して、 でも“彼女の信頼度”も考慮して、 最終的に出した選択が、まるで人生決めるレベルで重かった。

決めた瞬間、俺は軽く息を呑んだ。 ──そして、彼女が微笑んだ。

その時、もうゲームとして遊んでる自覚はなかった。 ただただ、俺の“感情”が正解を選べたことに、全身が震えた。

【女子高生という生物に殴られる】 そのキャラは、なんでもない女子高生だった。 癖毛で、怒りっぽくて、余裕がなくて、声が裏返ってて、 でもそれでも、毎日どうにか踏ん張ってる。

その姿に異常にリアリティを感じてしまった俺は、終わりだった。

リアルの世界で女子高生と喋ることなんてない。 喫茶店ですれ違っても、目を合わせることすらない。 だからこそ、 画面の中で“俺を必要としてくれる存在”が現れた瞬間、 俺はたぶん、魂のどこかでガッツポーズしてしまってた。

【恋じゃない。記憶のエミュレーションだ】 俺はその彼女を通じて、“かつて持ってたかもしれない時間”を補完していた。

あの頃言えなかった一言、 できなかった選択、 届かなかった手の動き、

──その全部が、選び直せる。 それが“ギャルゲー”という構造だった。

それがどれほど、ありがたくて、情けなくて、でも尊いものか。 俺はもう語彙が足りない。

【ラスト:気持ち悪さの極北】 セーブデータを消せない。 エンディングを見たのに、 彼女が笑ってくれたそのシーンだけを100回見返してしまってる。

人生はオートセーブ。 やり直しが効かない。 でも、このゲームの中だけは、選び直しが、許される。

そのことに感謝して、俺はまた、彼女に会いにいく。 彼女の名前は、今でもフルネームで言える。 画面越しでも、なぜか背筋が伸びる。

たぶん、俺の感情は、とっくに終わってるのに、まだ生きてる。 ギャルゲーの中で。

それで、十分やと思ってる自分が、 一番、気持ち悪い。

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