利益柱の快活CLUBが快走、配当利回りも約4.4%。AOKIホールディングス(8214)の考え方。
紳士服店「AOKI」、複合カフェ「快活CLUB」等を運営するAOKIホールディングス(8214)に関する投資の考え方について、最近の業績動向をもとに整理してみたいと思います。
中間決算(25年9月期)の概況

売上高はYoY+1.3%の840億円、営業利益はYoY▲5.6%の39.3億円と増収減益。天候不順や生活防衛意識の高まりで微増収に留まったほか、人件費等諸コストの増加で減益も、会社予算との比較では上振れ進捗となりました。

中間のセグメント別。衣料事業は新店とカジュアルが好調で増収も、人件費等のコスト増で減益。一方、「快活CLUB」を中心とする娯楽事業は客単価の上昇が効いて増収増益となり、婚礼事業についても単価・組数増で増収増益(赤字縮小)となりました。
進行期(26年3月期)の業績予想

26年3月期の通期見通しは売上高はYoY+1.7%の1,960億円、営業利益はYoY+8.6%の170億円を予想。売上予想のみ期初から20億円減額したものの、上期の利益上振れもあり、通期では2桁増益を確保する見通しです。

2月6日開示済の3Q決算。2Q時点から売上高、営業利益ともにモメンタム変わらず。利益進捗が鈍く見えるものの、紳士服業界は就職・新入学時期の4Qに売上・利益が集中するため、会社側からは「概ね計画線」とのコメント。

3Q決算‐セグメント別。2Qから傾向は変わらず。衣料事業は3Qまで凪の状態、娯楽事業は既存店好調。婚礼事業は秋を挟む3Qが書き入れ時となるものの、順調にこなしたものと解されます。
直近数期の業績動向について

近年の業績。当社は2000年代初めの頃からスーツ需要の趨勢減を見抜き、他社に先駆けて多角化に舵を切ってきました。その象徴である複合カフェの「快活CLUB」は2012年に200店だったものが、足許500店体制に拡大しています。
「快活CLUB」は紳士服「AOKI」の不振店の定期借地契約の残存期間を活かした居抜きで入居し、しかもロードサイドゆえに人件費も抑制的(バイトの数も時給も安上がり)であることから、好採算事業となっています。
当社の売上高のピークは2018年、利益のピークは2014年でしたが、コロナ後の業績回復のモメンタムが非常に順調なため、次期中計期間で過去最高を更新してくるものと考えられます。
中期目標について

当社は24年5月に公表した中期経営計画で、翌27年3月までに売上高を2,000億円(CAGR+2.2%)、営業利益を180億円(CAGR+10.0%)に拡大させる計画としています。なお、計画初年度の25年3月期は超過達成しており、順調な進捗が確認されます。

中計の経営方針。基本的には衣料・娯楽・婚礼の3事業の深堀り(≒客単価向上)と、出店と業態転換による成長が柱となります。グループ店舗数は向こう3年間で100店純増となる1,434店を計画。

中計のキャピタル・アロケーション。中計3年間の営業CF・累計600億円は、出店等に300億円、株主還元に200億円、新規事業・M&Aに100億円を割り振ります。
なお出店等の300億円のうち200億円を娯楽事業に投じる方針であり、成長の軸はあくまで「快活CLUB」を中心とした複合カフェ事業という位置付け。
財務の状況と株主還元

BSの概況。中間時点では季節要因でBSが縮小するものの、手許現金で有利子負債をネットしており、自己資本比率も65%と好財務を維持しています。

株主還元について。今次中計では「配当性向50%(ないしはDOE3%)、総還元性向70%」が基本方針。進行期の配当は5円増配となる年80円(配当性向70%)を予想しており、配当だけで既に還元上限に達しています。
総括(考え方)
他社バリュエーションを比較します。当社はもはや紳士服店だけとしては括れない業容のため、便宜上ラウンドワンも比較企業とします。
★AOKIホールディングス(8214)
PER15.8倍、PBR1.1倍、配当利回り4.4%
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①青山商事(8219)
PER14.0倍、PBR0.8倍、配当利回り5.0%
➁コナカ(7494)
PER5.3倍、PBR0.5倍、配当利回り4.0%
③はるやまホールディングス(7416)
PER24.0倍、PBR0.6倍、配当利回り2.0%
④ラウンドワン(3326)
PER15.7倍、PBR3.6倍、配当利回り1.7%
紳士服業界はシュリンクしており、昔から評価が伸びない業界として認知されています。ただ業界上位3社の配当利回りはいずれも4%を超えている一方、PBR1倍を超過しているのは多角化に成功した当社のみであり、はっきりとした線引きがなされています。
以上から、当社株に関する考え方は【強気】となります。右肩上がりの株価位置的に入り辛いですが、好財務&配当利回り4%半ばゆえに十分と判断しています。
なお、優待狙いの単元株投資に関しても【強気】とします。「快活CLUB」の優待券は2割引券であり、譲渡利便性に乏しい電子化措置もなされているため、特に上乗せ評価なしとします。

以下は補足で、ROE・PBRの推移。先ほど触れたPBRについては既に1倍クリアも、ROEは目標の7.0%に届いていないため、改善意向が確認されます。但し、このペースでいけば達成確実とみられるため、この点に注目した伸びシロは多くはなさそう。

なお、2022年に子会社化した「自遊空間」のランシステムは、スタンダード市場維持(流通時価総額10億円+)のための拡充とみられますが、年初に優待拡充を公表しており、完全子会社化の目は遠のいた模様です。
ちなみに当社の本社はセンター南、ランシステムの本社はセンター北なのでもう付き合っちゃえよ(ザイン顔)と思うのですが、連結した分の数字が乗ればそれでいいやとかそんな感じなのでしょうか・・・取込漏れする少数株主利益も知れてますしね(おしまい)。
*本書執筆時点株価メモ:1,800円(260212)
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