【三瓶山で夫がヒーローになった日】帽子事件🍔
三瓶山へ登った時のこと。
無事に登山を終え、リフトで下山していた。
山の上は風が強かったので、帽子が飛ばされないように頭から外し、手に持っていた。
ところが私は景色の写真を撮るのに夢中になっていた。
その瞬間だった。
ポロッ。
「あっ!」
気付いた時には遅かった。
帽子が私の手を離れ、ゲレンデへ向かって落ちていく。
やってしまった、、
帽子が落ちたのはゲレンデのかなり上の方。たぶん7合目あたり。
しかもその帽子は、自分の誕生日に自分へのご褒美として買ったお気に入りだった。
でも、あまりにも遠い。
落ちていく帽子を見ながら私は、
「もう仕方ないね。」
と諦めた。
すると夫が言った。
「取りに行けばいいじゃろ。」
私は一瞬、
「えっ?私が?」
と思った。
いやいや、あんな所まで登るの?
無理だわ。
そう思いながらリフトを降りると、夫はそのままスタスタと歩き出した。
そして芝生のゲレンデを駆け上がっていった。
どうやら「取りに行けばいいじゃろ」とは、私ではなく自分のことだったらしい。
私は下で待つしかない。
夫はリフトに乗っている人たちと同じくらいのスピードで、どんどん上へ駆け登っていく。
後から聞いた話では、リフトに乗っていたおばさま達が、
「がんばれー!」
「すごいねー!」
と声をかけてくれていたらしい。
そして無事に帽子を見つけた時には、
「おめでとう!」
と拍手まで起こったという。
もはや帽子探しではなく、一つのスポーツイベントである。
40分ほどして戻ってきた夫は汗だく。
でもどこか誇らしげだった。
私はというと、申し訳ない気持ちでいっぱい。
せめてものお礼に、その日は少し高級なソフトクリームをご馳走させてもらった。
今でも三瓶山の話になると、山頂から見た景色より先に帽子事件の話になる。
旅の思い出というのは、絶景よりも、こういう予想外の出来事の方が長く残るのかもしれない。
【今回の教訓】
・写真に夢中な時ほど、手元はおろそかになる。
・「取りに行けばいいじゃろ」の主語は確認した方がいい。
・夫は時々ヒーローになる。
・高級ソフトクリームは、感謝と謝罪の気持ちを伝えるのにちょうどいい。
今日も私のnoteを読んでいただき、ありがとうございました🍔
