【なぜ私たちは金曜夜に出発するのか】
金曜の夜。
一週間で一番疲れているはずの時間だ。
仕事を終えて帰宅する。
夕飯を済ませ、お風呂に入る。
やっと一息つける時間。
本来なら家でゆっくりしたい。
そう思っても不思議ではない。
実際、よく聞かれる。
「金曜の夜から出るの?」
「疲れない?」
私もそう思う。
疲れている。
正直、ソファに座ったらそのまま寝てしまいそうな日もある。
それでも私たちは月に1〜2回、金曜の夜に出発する。
なぜだろう?
考えてみると、これまで私はずっと仕事中心の生活をしてきた。
帰宅が遅くなることも多かった。
夕飯がお惣菜やお弁当になることも珍しくない。
Hotto Mottoのチキン南蛮弁当は、あまりにも買いすぎて店員さんに顔を覚えられた。
袋の中にメニュー表が入っていたこともある。
今思えば、
「たまには違うものも食べてみたら?」
という優しいメッセージだったのかもしれない。
そんなある日、母との会話で何気なく言ったことがある。
「私にとって母の味って、お惣菜なんよね。」
すると母はひどく怒った。
今ならその気持ちが分かる。
仕事をしながら家事をして、私たちを育ててくれた。
母なりに一生懸命だったのだと思う。
でも子どもだった私の記憶には、お惣菜もちゃんと残っていた。
そして今、ふと思う。
もしうちの成人している子どもたちに、
「お母さんの味って何?」
と聞いたら、
きっと
「チキン南蛮弁当。」
と答える気がする。
それは間違いなく事実である。
そんな忙しい毎日を過ごしていると、金曜の夜だけは少し違う時間が欲しくなる。
仕事のことを忘れる時間。
家事のことを忘れる時間。
肩書きを置いていく時間。
夫と手分けして支度をする。
私は自分の荷物をまとめる。
夫は車へ荷物を積み込む。
寝慣れた枕も忘れない。
準備が終わると、私は先に助手席へ乗り込む。
夫は戸締まりを確認してから車に乗る。
そして毎回同じことを言う。
「じゃー、出発!」
何年も聞いている言葉なのに、その一言を聞くと少しワクワクする。
まるで遠足前の子どもみたいだ。
48歳と49歳なのに。
車が走り始めると、不思議と気持ちが軽くなる。
目的地が特別だからではない。
豪華なホテルがあるわけでもない。
ただ家を離れるだけ。
それなのに日常が少し遠くなる。
たぶん私たちは旅に出たいわけではない。
毎日頑張っている自分たちを、少しだけ休ませたいのだと思う。
月に1〜2回の金曜の夜。
私たちにとってそれは、週末の始まりというより、
自分たちを取り戻す時間なのかもしれない。
【今回の(私の)教訓】
日常から少し離れると、日常の中に置き忘れていた自分に会える。
今夜も私のnoteにお付き合いしていただき、ありがとうございました🍔
