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ポンコツだというけれど、あなたは最高!

「よく結婚してくれたね」

久しぶりの連休で、お昼からビールを飲んで、ほどよく気持ちよくなっていた夫がぽつりとつぶやいた。

夫のリクエストで「じゃがいも入りフォカッチャ」をせっせとこねていたわたしは「まぁね」と軽く返すと、夫は急にしょんぼりして言った。

「自分はポンコツで、いいところなんて何もないからさ…」

酔うとこういうことを言いがちなのは知っている。
でもその言葉を聞くたび、わたしは「そんなことないのに」と思う。

たしかに夫は、世の中でよく言われる“三高”にはひとつも当てはまらない。高学歴でもなければ、高収入でもないし、高身長でもない。


暮らしの中には、夫のおかげで助かっている場面がいくつもある。シャンプーやペーパーの減り具合にすぐ気づいてくれるし、次の日にはしっかり補充されている。予備をそっと置いておいてくれる気配りも、見えないけれど確かな働きだ。

さらに驚くのは、夫の出勤時間が早い日、朝の3時半に起きて、眠いはずなのにお風呂掃除をしてから出かけていく。平日休みには、子どもの予防接種や歯医者の健診を進んで担当してくれる。遅く出勤する日は、布団を畳んで掃除機までかけてくれる。わたしが寝かしつけで力尽きた夜は、保育園の準備がばっちり整っていたりする。

それらは全部、「やってるよ」とアピールすることなく、本当に自然にやってくれる。静かな思いやりが日常のあちこちに散りばめられている。


趣味の“ポイ活”でコツコツ貯めたポイントで日用品を買ったり、子どものおやつを買ったりして、20日になると「今日はポイントの日だよ」とワクワクしている。ポイントで思いっきり買い物をするのが贅沢らしい。家計に優しいし、本人もうれしそうだ。

ご飯を作れば「おいしかった!」と必ず伝えてくれ、皿洗いもしてくれるし、余裕があればついでにガスコンロやオーブンまでピカピカにしてくれる。
わたしが苦手な里芋の皮むきだって嫌がらずに引き受けてくれる。


夫はよく「自分には取り柄がない」と言う。
でもわたしは、毎日の暮らしの中で、夫の“いいところ”を山ほど見つけている。夫こそ本当に「いいところだらけの人」だと思っている。

せっかちすぎるところもあるし、暑がりで1年の半分以上を半袖を着て過ごしたり、仕事で疲れすぎると無口になってしまうこともある。
突然ネガティブキャンペーンを始めて、「もうムリ」「何もかもいやになった」なんて言いながら、「一生布団にくるまって暮らしたい」なんて、うじうじと弱音をこぼすこともある。

それでも、わたしや子どもに向ける気づかいは、誰にも負けない。

「よく結婚してくれたね」と夫は言うけれど、わたしはむしろ「よく結婚してくれたね」と言いたい側だ。

毎日を、そっと、丁寧に、私たち家族の方向へ向けてくれるその姿が、わたしにはたまらなく尊い。夫が自然にしてくれる小さな気づかいや行動の積み重ねは、わたしにとってかけがえのない支えであり、あいそのものだ。

夫が「ポンコツ」だと言うなら、わたしはそのポンコツも全力で愛しているのだと思う。

今日もまたささいなことで笑ったり、たまにイラッとしたりしながら、同じ方向へ歩いていく。
それでいい。いや、そういうのがいちばんいい。


おしまい
(1320字)

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