【国会質疑】沖縄の心と宇宙の平和を守れ!鋭い追及(2026.6.25)

本文書は、2026年6月25日の参議院における山添拓議員(日本共産党)による質問と、それに対する外務大臣および防衛大臣等の答弁内容を要約・分析したものである。沖縄戦から81年を迎えた「慰霊の日」の意義、沖縄における基地負担の実態、自衛隊員による市民への言動、および宇宙空間の軍事利用に関する議論を網羅している。

エグゼクティブ・サマリー

  • 沖縄の現状と課題: 沖縄戦から81年目の「慰霊の日」を迎え、基地負担の軽減と平和への決意が改めて強調された。しかし、式典当日の米軍機騒音や、依然として続く米軍関係者による犯罪(特に性犯罪の急増)が深刻な課題として浮き彫りになっている。

  • 自衛隊と住民の対立: 宮古島における陸上自衛隊司令による市民への威圧的言動を巡り、現在損害賠償請求訴訟が継続中である。政府側は詳細な評価を避ける一方、隊員の家族保護を強調する姿勢を示しており、住民感情との乖離が指摘されている。

  • 宇宙の軍事利用: 破壊的な衛星破壊実験(ASAT)の禁止に関する国際的な潮流がある一方で、日米は「ゴールデン・ドーム構想」に関連する新型迎撃ミサイル(GPI)の共同開発を進めている。宇宙空間における軍拡競争がもたらすデブリ(宇宙ゴミ)問題と、人類共通の資産である宇宙空間の持続的利用への懸念が議論の焦点となっている。

1. 沖縄戦「慰霊の日」と基地負担の現状

2026年6月23日、沖縄は戦後81年となる「慰霊の日」を迎えた。この日を巡る議論では、平和への願いと、現実の基地負担のギャップが焦点となった。

平和宣言と政府の認識

  • 玉城デニー知事の平和宣言: 核廃絶と恒久平和を追求する責務、沖縄戦の記憶を次世代へ正しく伝える重要性を強調。基地負担の軽減に向け、政府と県の対話による解決を求めた。

  • 政府の受け止め: 外務大臣は沖縄の繁栄が犠牲の上に成り立っていることを忘れず、基地負担軽減に全力を尽くすと述べた。防衛大臣は、次世代に平和を引き継ぐ使命を強調した。

慰霊の日における実態

  • 式典での対立: 防衛大臣は、中高生による平和のメッセージに感銘を受ける一方で、式典中の政治家に対するヤジなどの抗議活動を「非常に残念」と評した。

  • 嘉手納基地の騒音: 「騒音防止協定」で特別な日の飛行は最小限にするとされているにもかかわらず、慰霊の日当日も戦闘機の飛行が続いた事実が指摘された。

2. 宮古島における自衛隊司令の市民同括事件

陸上自衛隊宮古中屯地の元司令による市民への言動が、国会で厳しく問われた。

事件の概要

  • 発生日: 前年8月6日。

  • 内容: 徒歩防災訓練中に、拡声器で呼びかけを行っていた市民(「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」共同代表)に対し、当時の司令が「許可を取れ」と声を荒らげ、去るよう迫った。

  • 事実関係の乖離: 司令は「許可が必要」と主張したが、後の確認により、公共の場所での当該活動に市民側が許可を取る必要はなく、自衛隊側からも市に対して正式な届け出はなされていなかったことが判明している。

政府の対応と訴訟

  • 民事訴訟の提起: 被害を受けた市民は、司令の言動を「違法な同括」として、国と元司令を相手に損害賠償を求める訴訟を起こしている。

  • 防衛省の立場: 訴訟継続中を理由に詳細な回答を控えた。一方で防衛大臣は、「一部の過度な抗議活動により、隊員やその家族が肩身の狭い思いをしている」との現場の声を強調し、隊員とその家族を守ることが自身の使命であると述べた。

3. 在沖縄米軍による事件・事故の深刻化

沖縄における米軍関係者による犯罪、特に性犯罪の発生状況について深刻なデータが示された。

性犯罪と事件統計

  • 直近の事件: 5月22日、在沖縄米陸軍兵士が不動意成功知傷などの疑いで書類送検された。

  • 犯罪件数の急増: 昨年、米軍関係者が刑法犯で検挙された件数は101件に達した。年間100件を超えるのは22年ぶりである。

「沖縄コミュニティ・パートナーシップ・フォーラム」

  • 目的: 米軍と地元関係者の意思疎通を強化し、相互理解を促進するために開催(第2回は5月28日)。

  • 政府の評価: 外務省は、米軍の綱紀粛正や再発防止に向けた「建設的な議論」が行われていると評価している。これに対し、山添議員は「実行性がない」と厳しく批判し、基地が存在すること自体のリスクを認識すべきだと主張した。

4. 宇宙空間の軍事利用と国際秩序

宇宙空間を戦場にしないための国際的な取り組みと、一方で進む軍事ネットワーク構築の矛盾が議論された。

衛星破壊実験(ASAT)の禁止

  • 背景: 中国(2007年)やロシア(2021年)による実験で大量の宇宙デブリが発生したことを受け、米国は2022年に破壊的な上昇ミサイルによる衛星破壊実験を行わないと宣言。

  • 日本の対応: 米国の宣言に賛同し、同様の意思表明を世界に向けて行った。国連総会でも実験中止を求める決議が採択されている。

「ゴールデン・ドーム構想」と日本の関与

  • 構想の内容: 米国本土および同盟国を守るため、衛星とAIを活用し、発射直後のミサイルを宇宙空間から検知・迎撃する次世代ミサイル防衛システム。

  • 日米協力: 日本はこの構想の一部を担う「新型迎撃ミサイル(GPI)」の共同開発に着手している。

  • 懸念事項:

    • デブリの連鎖反応: 宇宙空間での迎撃や攻撃は、制御不能なデブリの連鎖(ケスラー・シンドローム)を引き起こし、地球低軌道(160km〜2000km)を人類が利用不可能にする恐れがある。

    • 巨額の費用: 米議会予算局の試算によれば、整備費用は約1.2兆ドル(約190兆円)に達する可能性がある。

    • 限定的な有効性: 巨額を投じても、中露による大規模な攻撃を完全に阻止できるわけではないとの指摘がある。

結論

本議論を通じて、沖縄における基地問題と宇宙の軍事化という、重層的な安全保障上の課題が提示された。政府側は日米同盟の抑止力強化と隊員の保護を優先する姿勢を鮮明にしているが、それによって引き起こされる住民の権利侵害や、地球規模での宇宙環境の破壊に対する具体的な解決策・外交的努力の不足が、鋭く問われる形となった。

いいなと思ったら応援しよう!

赤旗読者2023 よろしければ応援お願い致します。いただいたチップは、クリエイターの活動に使わせていただきます。