【国会質疑】改憲の欺瞞を撃つ!国民投票法の鋭い追及(2026.7.15)

本文書は、日本共産党の山添拓議員が国会において表明した、国民投票法の構造的欠陥および憲法改正を巡る諸課題についての意見を包括的にまとめたものである。

エグゼクティブ・サマリー

現行の国民投票法は、その制定時から重大かつ根本的な欠陥を抱えており、主権者である国民の総意を正確に反映する仕組みとして機能していない。山添拓議員は、2007年の法成立時から指摘されてきた最低投票率制度の欠如や広告規制の不備が、20年近く放置されている現状を強く批判している。また、憲法改正を政治の優先課題としていない国民に対し、権力者の側が改憲を急ぐ姿勢は立憲主義に反するものであり、現在進められている武器輸出の解禁や国旗損壊処罰法案等の動向も、憲法の平和主義や基本的人権を脅かす「違憲の暴挙」であると指弾している。

1. 国民投票法における3つの根本的欠陥

山添氏は、現行法が「国民の総意による承認」を担保するためのハードルを極めて低く設定しており、民主主義的な正当性に欠けると指摘している。

1.1 承認要件と最低投票率制度の不在

  • 低すぎる承認ハードル: 現行法では、憲法改正案の承認要件が「有効投票総数の過半数」とされており、これは最も低い基準である。

  • 正当性の欠如: 最低投票率制度が規定されていないため、投票率によっては有権者の1割から2割程度の賛成であっても憲法が改正されかねない。これは国民の総意とは言い難い。

1.2 公務員等の運動制限

  • 表現の自由の抑制: 公務員の政治的行為禁止規定により、公務員や教育者による意見表明や国民投票運動が不当に制限されている。

  • 主権者への干渉: 「地位利用」を口実にした制限は、主権者である国民の自由な運動を抑え込む内容となっている。

1.3 有料広告規制と広報の不公正

  • 資金力による偏り: 投票日前2週間を除き、テレビや新聞の有料広告が自由化されているため、広告量は資金力の多寡に左右される。

  • 中立性の欠如: 国会に設置される「広報協議会」は改憲派が多数を占めるため、客観的かつ中立的な広報や無料広告枠の運用は期待できず、改憲派に有利な仕組みとなっている。

2. 公職選挙法との安易な並置に対する批判

政府・与党が進める「公職選挙法に合わせた規定整備」という手法に対し、山添氏はその本質的な違いを強調している。

比較項目

公職選挙法(選挙)

国民投票法(憲法改正)

主体と内容

議員や首長を選出する

憲法の賛否を問う

継続性

任期到来により選び直しが可能

一度決まれば一生(あるいは長期間)変わらない

制度の目的

投票機会の確保と環境整備

国民の意思を幅広く正確に反映させる

山添氏は、飯島茂明氏(参考人)の指摘を引用し、憲法改正の重みを考慮すれば、単なる環境整備に留まらない慎重な制度設計が必要であると説いている。

3. 立憲主義の危機と権力者による改憲推進

現在、政治の側で加速している改憲の動きは、国民のニーズと乖離しており、立憲主義の根幹を揺るがすものである。

  • 国民の優先順位: 多くの国民は、一貫して改憲を政治の優先課題として求めていない。

  • 権力者による主導: 「時が来た」と述べる岸田総理をはじめ、憲法によって拘束される側の権力者が、自らを縛る「拘束を解く」ために改憲を煽ることは理不尽かつ危険な行為である。

  • 法改正の演出: 重大な欠陥を放置したまま、環境整備のみの法改正を急ぐ姿勢は、国民投票の手続きを軽視し、改憲の準備が進んでいるかのように演出するものである。

4. 進行中の違憲的政策および立法

山添氏は、国会で審議・実施されている以下の事案を、憲法の精神を蹂躙する「違憲の暴挙」として挙げている。

  • 武器輸出の全面解禁: 国是であった武器輸出禁止を投げ捨て、軍需産業を支援・利益化することは、憲法9条の平和主義に真っ向から反する。

  • 国旗損壊処罰法案: 「愛国心の醸成」を本音とし、憲法19条(内心の自由)や21条(表現の自由)を侵害する。また、刑罰の明確性が欠如しており、31条(罪刑法定主義)にも反する。

  • 皇室典範改定案: 養子制度導入による男系男子の強化は、女性皇族の継承権を認めない断尊女卑の姿勢を強めるものであり、ジェンダー平等および憲法の精神に反する。

5. 社会の反応と結論

政治が国民の暮らしを後回しにし、戦争へと近づく現状に対し、国民の間では大規模な抗議の声が上がっている。

  • 抗議の可視化: 7月10日の「国会前アクション」には2万7000人が参加し、全国45都道府県158箇所で合計3万5600人余りが連帯の声を上げた。

  • 結論: 暮らしと平和を守る展望は、改憲ではなく「憲法に基づく政治」によってこそ開かれるものである。したがって、国民投票法の改定も憲法改正自体も、現時点において全く必要ない。

いいなと思ったら応援しよう!

赤旗読者2023 よろしければ応援お願い致します。いただいたチップは、クリエイターの活動に使わせていただきます。