まだ1個ずつ覚えてる?「get through」は1つのイメージで足る
「get=得る」で脳がバグった私へ。ネイティブが『get through』を平気な顔して使いこなす理由。
「get」は「得る」。 「through」は「通り抜ける」。
じゃあ、なんで「get through」で「電話がつながる」なんて意味になるんだろう。
かつて私は、この理不尽な英語の壁の前に、本気で立ち尽くしていました。
辞書を放り投げたくなった日
英語を必死に丸暗記していた頃のことです。 海外ドラマを観ていたら、仕事のトラブルで完全にキャパオーバーになっている同僚に向かって、ネイティブがポロッと言ったんです。
「You will get through.」
私の頭の中はハテナで埋め尽くされました。 「通り抜けを得る……? え、何を? 壁でもすり抜ける超能力の話?」
気になって辞書を引くと、そこにはさらに頭を抱えたくなる現実が待っていました。
(困難を)切り抜ける
(仕事を)終わらせる
(電話が)つながる
(試験に)合格する
意味がバラバラすぎて、言葉を失いました。「得る」と「通り抜ける」のどこをどう組み合わせたら「電話がつながる」になるのか、さっぱり分かりません。
「なんでこんなにたくさんの意味があるの?」 「どうしてネイティブは、こんなにややこしい言葉を平気な顔で使い分けられるんだろう……」
底の見えないネイティブの英語感覚に、自分の才能のなさを突きつけられた気がして、当時は本当に絶望しました。
ネイティブの頭にあるのは、1つの「息苦しい感覚」
でも、違ったんです。彼らの頭が良いわけでも、暗記力が凄まじいわけでもありませんでした。 彼らは、私たちが必死に覚えている何十個もの日本語訳なんて、1つも考えていなかったんです。
彼らの頭の中にあるのは、文字ではなく、もっと生々しい「感覚」でした。
「get through」を、文字ではなく体感で捉え直してみます。
get = ある状態に向かって、ジリジリと動く
through = ぎゅうぎゅうに詰まった、息が詰まるような場所を押し通る
つまり、ネイティブが感じているコアイメージは、綺麗なトンネルを歩くようなものじゃありません。 「満員電車や、視界の悪い水中、あるいは圧倒的な重圧の中など、まともに息もできないくらい苦しい場所を、必死に体をよじりながら進んで、なんとか息ができる外の世界へ這い出る」という、あの、胸が苦しくなるような感覚そのものなんです。
あのとき私がパニックになった「バラバラな意味」は、すべてこの「息苦しい場所を抜け出す感覚」でピタッと繋がります。
だから繋がる。あのとき意味が分からなかった4つのシーン
この「息苦しさから這い出る感覚」を重ねた瞬間、私の英語の見え方はガラリと変わりました。
① 職場の修羅場で使う「終わらせる」
I need to get through this paperwork.(この書類仕事を終わらせなきゃ)
終わらない書類、鳴り止まない電話。あの、デスクでウッと息が詰まるような圧迫感。あの息苦しいタスクの山を、必死に片付けながら突き進み、ようやく解放される(息が吸える)状態に行くから「終わらせる」になります。
② 泣きそうな友人にかけた「乗り越える」
We will get through this difficult time.(私たちはこの苦境を乗り越えるだろう)
人生のトラブルや辛い時期は、まさに息が詰まるような苦しい空間です。でも、ここで止まったら窒息してしまうから、なんとか進んで一緒にあっち側(平穏な日常)へ抜け出そう、という必死の応援なんです。
③ コール音の裏側にある「つながる」
I couldn’t get through to him.(彼に電話がつつなが staff なかった)
電波の混雑や、相手が取り込んでいて出られない状態。それは自分の声にとって「息が詰まるような、狭くて苦しい障害」です。そこを声の電波が必死にすり抜けて、ようやく相手の耳元(開けた場所)にたどり着いたから、電話が「つながる」。途中で窒息して届かなかったから「つながらなかった(couldn't)」なんです。
④ 受験票を握りしめた「合格する」
She got through the exam.(彼女は試験をパスした)
プレッシャーで押しつぶされそうな試験。あの重苦しい空気の中を、もがきながらくぐり抜けて、合格という次のステージへ進む。だから「合格する」になります。
まとめ:英語は「訳す」のをやめると、急にラクになる
「得る」と「通り抜ける」という文字のパズルに溺れていたときはあんなに意味不明だった言葉が、「息苦しい場所を必死に生き抜く感覚」を重ねた瞬間、すべて同じ1つの言葉に見えてきませんか?
ネイティブが英語を話せるのは、暗記マシーンだからではありません。 言葉を文字ではなく「体感」で捉えているからです。
もう、辞書の文字をノートに書き写す丸暗記からは卒業しませんか。 文字を捨てて、感覚を掴む。それだけで、あなたの英語は驚くほど自然に動き始めます。
今日のおさらい(スクショして覚えよう)

最後に
この記事を読み終えた今、あなたなら『get through』を使って、どんな息苦しい状況を突破したいですか? 「今日、本当にしんどい仕事を終わらせた」でも「今週をなんとか生き抜く」でも構いません。ぜひコメント欄で、あなたのリアルなオリジナル英文を1つ教えてください。間違えても全然大丈夫です。一緒に感覚を掴んでいきましょう。
「この記事、ちょっとわかりやすかったな」「英語の丸暗記に疲れてたんだ」と思ってくださった方は、ぜひページ下部の「スキ(♡)」や「フォロー」をお願いします! 次の記事を書く大きな励みになります。これからも一緒に頑張りましょう!
