【あるがままへ⑦】土に触れる
復職して3校目、私は緑化主任になりました。
正直なところ、あまり気乗りしませんでした。
草取りや土いじりは、大変そうだと思っていたからです。
農園を経営している従兄弟の兄さん(以下 Yさん)がよく言ってました。
草取りは基本
草取りできない人は農業もできん
その言葉を思い出しましたが、やはり、積極的にはなれませんでした。
しかしながら、実際に活動をやっていくうちに、徐々に思いが変わっていきました。
毎年、5月の体育大会が終わった後と12月の上旬ぐらいに、校内の花壇に苗を植えました。
5月下旬には
トレニア
松葉ボタン
ポーチュラカ
日々草
メランポジウム
アメリカンブルー
マリーゴールド
…など
12月に上旬には
ノースポール
ビオラ
金魚草
なでしこ
葉牡丹
チューリップ
アリッサム
…など
苗植えは、緑化委員の生徒と地域のボランティアの方々と一緒に行いました。
苗植えの前には、私が牛糞と石灰を花壇に撒いて、その後、小型耕運機で耕しました。
慣れない作業でしたが、繰り返すうちに楽しくなりました。
授業の空き時間や放課後には、花壇に入って草取りをしました。
夏
強烈な日差の中、元気に咲き誇る花々を見ました。
冬
霜柱や雪の中、負けずに咲き誇る花々を見ました。
しだいに、花壇の花が生き生きと見えてきました。
草取りをしていると、
心が無心になっていきました。
歩いているときと同じような感覚になりました。
また、季節の移り変わりがよくわかるようになりました。
草取りは、農業の基本だとYさんが言っていた意味も、少しわかってきたような気がしました。
転勤の時期を迎えました。
私が使っていた小型耕運機は、保護者から借り受けているもので、返却しなければなりません。
これがなくなったら、次の担当者は大変困るだろうと思いました。
私は、同型の耕運機を寄贈することにしました。
転勤後、学校に立ち寄ったときのことです。
私が寄贈した耕運機が置かれていました。
大きな文字で
「寄贈 ◯◯先生」
と書かれていました。
「あんなに書かなくていいと言ったのに……」
そうつぶやきながらも、
私は少し嬉しくなりました。
