魅惑的で危険な古来からある伝統儀式に思いがけず参加してしまった
我々にそんなつもりはまったくなかった。
ただランチの後に何か花が見られるところはないかとドライブしていただけだ。花で有名なお寺に多少時期がずれていても見られる花がないかとふと寄ってみた。
駐車場はかなりいっぱいに近かった。
なにやら放送が聞こえてきた。
境内に入ってみるとそこは戦場だった。
一段高いところから散弾が降ってくる。
老人はよろめき、子どもは泣き叫び、
あるものは弾にあたり顔をしかめる。
それでもいつの間にか我々も戦場に吸い寄せられてしまった。弾はそこそこの重さと大きさがあり、
危険なのはわかっている。
だけど、撒き散らされる弾に人は群がる。
つい我々も拾ってしまった。
だってお餅がまかれていたら、
欲しくなりません?
そして我々は1人ひとつのお餅をゲットして
その戦場を後にしたのであった。
古来からある伝統儀式、その名は餅まき。
まったく関係がない人をも巻き込むその魅惑。
石のような硬さと重さのあるものが同時に複数
高いところから降ってくるその危険。
古来からの伝統儀式が今日まで伝わってきたのには理由があるのだと実感した。
そこまでお餅が大好きというわけでもないのだが
やっぱり降ってきたお餅は嬉しい。


餅のひとつは友人の顔にぶつかって
その箇所は赤くなっていた。
危険な儀式である。
恐るべし、餅まき。
